米SECがイーロン・マスク氏を提訴 マスク氏和解拒否でテスラ株は急落
2018年9月29日 21:48
米テスラモーターズのイーロン・マスクCEOは、米国時間28日に米証券取引委員会(SEC)との和解を拒否した。これを受け、同氏のテスラCEO辞任は不可避との観測が市場で広がり、同社の株価は急落した。
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複数の報道によれば、米電気自動車メーカー、テスラのマスクCEOは、証券詐欺罪で27日に同氏を提訴したSECとの和解を拒んだ。目下、マスク氏とSECのいずれもコメントを差し控えているものの、マスク氏は法廷闘争へ向け既に世界的なローファーム所属の弁護士と契約を結んだという。報道を受け、マスク氏がテスラを離れる可能性が意識され株価は一時13%下落、同社が債務不履行に陥った際に債権者への損失補填に充てられる金融商品(クレジット・デフォルト・スワップ)の料率も、過去最高に上昇した。
SECは27日に、テスラ社を非公開化するのに必要な資金調達の準備が整ったとマスク氏が8月上旬にツイッターへ投稿した発言が投資家を欺いたとして、同氏(個人)を提訴。SECがマンハッタンの連邦地裁に提出した訴状によれば、「マスク氏は価格など主な取引条件について、どの資金提供者とも協議すらしていなかった」と指摘。その後に投稿された、「投資家の支持を得た」などの発言も投資家に誤解を与えるものとし、同氏へ上場企業の取締役や執行役員からの辞任と、課徴金を求めた。なお、SECは、今回のツイートが投稿される前から、自動車販売予測などを巡り同社を調査していた。
これに対し、同氏は27日に、資金提供者との間で口頭ながら資金調達の約束を交わしており、間違ったことは発言していないと反発し、「SECの不当な行為に失望」との声明を発表。合わせて、「私は真実、透明性、投資家の利益を優先してきた。私の人生において誠実さが最も重要であり、これに反していないことを証明する」と主張していた。
マスク氏は、PayPalの前身会社の創業者で、現在もテスラの他にスペースXやソーラーシティなど複数の会社を経営する実業家。その経営手腕は高く評価されており、テスラの株価にはマスク氏のプレミアムが含まれているとされ、同氏の辞任観測は同社の株価下落を招く結果となった。(記事:dailyst・記事一覧を見る)