「こうのとり」7号、ISSに結合 JAXAが発表

2018年9月29日 21:30

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、宇宙ステーション補給機「こうのとり7号」(HTV7)が、国際宇宙ステーション(ISS)のロボットアームに把持されたと発表した。その後、28日にISSロボットアーム運用により、ISSとの結合が完了した。今後は船外貨物及び船内貨物が、順次ISSへ移送されるとのことだ。

【こちらも】こうのとり7号機 4度の延期でようやく打ち上げ成功

 こうのとり7号は、23日に種子島宇宙センターから国際宇宙ステーションに向けて打ち上げられた。度重なる延期に多くのファンが打ち上げを楽しみにしていたが、28日の国際宇宙ステーションとの結合はJAXAの職員のみならず、世界中のファンが歓喜した。

 こうのとり7号は世界最大級の宇宙ステーション補給機として、最大6トンもの資源を輸送することができる。サイズは観光用のバスがすっぽり収まるほどと、とても大きい。国際宇宙ステーションに滞在している宇宙飛行士たちの洋服や食料はもちろんのこと、各種実験装置などを積むことができる。

 今回こうのとり7号が打ち上げられた理由は、物資を輸送することだけが目的ではない。先にも述べたように、種実験装置が積まれており、こうのとり7号が国際宇宙ステーションと結合したということは、新しい実験がスタートする合図でもあるといえる。

 こうのとり7号には、次の実験装置が積まれている。

 米国実験ラック(Express Rack 9B / Express Rack 10B)、ESA生命維持ラック(Life Support Rack:LSR)、米国生命科学グローブボックス(Life Sciences Glovebox:LSG)、LSG打上げ専用ラック、ループヒートパイプラジエータ(LHPR)技術実証システム。

 こうのとり7号を搭載したH-IIBロケット7号機は、当初9月11日が宇上げ予定だったが、延期を繰り返してきた。ファンを一喜一憂させながらも幾度となくチャレンジを繰り返し、9月23日にようやく打ち上げの日を迎えたのだ。日本の技術が詰まった世界最大級の宇宙ステーション補給機である「こうのとり」7号のおかげで、更なる宇宙解明に一歩近付くかもしれない。(記事:中川リナ・記事一覧を見る

関連記事

最新記事