こうのとり7号機 4度の延期でようやく打ち上げ成功
2018年9月25日 19:22
三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は23日、種子島宇宙センターから「こうのとり」7号機を搭載したH-IIBロケット7号機の打ち上げに成功した。
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■4度延期されたこうのとり7号機の打ち上げ
H-IIBロケットは当初11日に打ち上げ予定だったが、台風による気象悪化のため延期された。14日に1度目の打ち上げ延期が決まったH-IIBロケットは、センター周辺の気候悪化により打ち上げを15日に再度延期。
ところがロケットエンジン内の液体酸素タンクの安全弁に異常が見つかったため、打ち上げはさらに延期された。20日には、天候不順により4度目の打ち上げ延期が発表された。今回、H-IIBロケットの打ち上げにようやく成功したかたちとなる。
■H-IIBロケットをJAXAと共同開発した三菱重工業
23日2時52分27秒に打ち上げられたH-IIBロケット7号機に搭載されたこうのとり7号機は、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を送る補給機だ。こうのとり7号機には、九州工業大学や静岡大学、民間宇宙ベンチャーのリーマンサットスペーシズらが開発した超小型衛星が搭載されている。
三菱重工業は、JAXAからロケット技術の移転を受け、2007年からH-IIAロケットによる打ち上げ輸送サービスを開始。2013年以降、H-IIBによる打ち上げ輸送サービスをラインナップに加えた。
H-IIAロケットの打ち上げ能力を向上させたH-IIBロケットは、ロケットエンジンの推進力の増強やロケット最先端部にある摩擦熱を護る「衛星フェアリング」の大型化を図った。これにより、大幅な輸送力アップを実現。初号機から7回連続で打ち上げに成功しており、H-IIAロケットと合わせると、40回連続での打ち上げ成功となった。
三菱重工業は、H-IIAロケットやH-IIBロケットのほかにも、H3ロケットの開発にも着手しており、JAXAと共同開発する次世代ロケット「H3ロケット」は、2020年度に初号機打ち上げを予定している。
■こうのとり7号機はISSに27日に結合予定
今回種子島宇宙センターから打ち上げられたH-IIBロケットは、打ち上げから約14分59秒後にこうのとり7号機を正常に分離したことが確認された。今後こうのとり7号機はISSに接近し、ISSに搭載されたロボットアームで捉えられて9月27日に結合予定だ。JAXAは、こうのとり7号機がISSに結合する模様を中継すると発表している。(記事:角野未智・記事一覧を見る)