NYの視点:米中貿易摩擦の行方、トランプ経済政策履行のリスクにも

2018年9月18日 07:37


*07:37JST NYの視点:米中貿易摩擦の行方、トランプ経済政策履行のリスクにも
米中貿易協議再開への調整が進む中、トランプ大統領は当初の計画通り2000億ドル規模の中国製品に追加関税を発動する準備を進めており、貿易協議でのレバレッジに利用する方針のようだ。トランプ米大統領は17日にツィートで、「関税は米国を非常に強い位置に置く」「もし、諸国が米国と公平な合意をしなければ、関税を課すことになる」と言及。米国政府は対中追加関税を早くて、17日、または18日に発表すると報じられている。トランプ大統領はまた、中国との通商合意を維持する圧力を受けてないと強きの姿勢を維持。ホワイトハウスは、中国の不公平な貿易慣行への対応を続けるとし、中国が米国の長期にわたる懸念に対処するよう要請した。

ただ、関税率が10%と報じられており、当初計画されていた25%を下回る見込みであることは唯一のプラス材料となる。

中国も米国の強い対応に簡単には屈しない方針を表明。中国外務省は対米報復措置を講じる方針を再表明し、貿易協議の招待にも応じないと米国を脅かした。習国家主席も米国との貿易戦争で、「防衛にのみ徹するつもりはない」と警告した。

今週、トランプ大統領は貿易に関してアドバイザー、ムニューシン米財務長官、ロス米商務長官、ライトハイザー合衆国通商代表(USTR)との会合を予定している。グローバル派として知られるムニューシン米財務長官はハイレベルの貿易協議を目指し、中国の劉鶴福首相が率いる代表団に書簡を送ったものの、米国の追加関税の可能性で、中国は協議を拒否する可能性がある。

中間選挙を控えた国民に対する世論調査で、経済の改善において共和党は有権者の支持を得ているものの、貿易戦争への脅威で民主党に票が流れる可能性が示唆されている。トランプ政権が経済政策を履行するにあたり、リスクとなる。米中関係の行方に注目が集まる。《CS》

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