ウォーキングによって心不全のリスクが下がることが判明 アメリカの研究
2018年9月11日 20:36
●閉経後の女性の間で特に高まる心不全のリスク
歩くことは心不全のリスクを低下させる。とくに、閉経後の女性の健康の維持のために、歩くことは非常に有効である。この結果は、バッファロー大学の研究結果として米国心臓学会の機関紙に発表された。
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50歳から80歳までの女性は運動量が著しく低下し、心臓が体の動きに応じた機能を維持できなくなる可能性が高くなる。心不全のリスクを下げるためには、運動量を増やす必要がある。医師たちが研究結果を踏まえて今回推奨したのは、ウォーキングである。
●心不全のリスクを高める状況とは
心不全を発症する原因として、心臓発作の予後が芳しくなかった場合や、高齢の女性の糖尿病や高血圧があげられている。とくに後者の場合、心臓の筋肉が血液を体内に送り出すに足る力を維持できなくなることが原因となる。
●「女性の健康イニシアチブ(WHI)」とともに進めた研究
女性の心臓とウォーキングについての今回の研究は、50歳から79歳までの13万7,303人の女性を対象に実施された。女性たちの健康のデータ収集については、アメリカ国立衛生研究所の研究プログラム「女性と健康イニシアチブ(WHI)」による協力のもとに進められた。1991年に設立された同研究プログラムは、閉経後の女性の病気や死因についての研究で高い功績を誇る。
研究チームはとくに、心臓に問題がある3万5,272人に焦点を当てた。
●毎日の30分から45分の運動で下がる心不全のリスク
その結果、心不全の発症は毎日の運動によって避けられることが明らかになった。
毎日、30分から45分の運動を行うことで、平均して9%心不全の発症が下がる。研究者によれば、時々の激しい運動や長時間に及ぶ活動よりも、毎日45分のウォーキングを行うことが実際的で効率的な効果があったと報告している。とくに高齢者にとっては、日常生活に支障なく行えるウォーキングは非常に重要な要素となる。
ウォーキングによって心不全が予防できるという発見は、社会的にも大きな意義がある。60歳以降に心不全を発症する確率は高くなるうえ、その治療は高額となる。身体活動の促進によって、高齢者社会におけるあらゆる負担を軽くする手段となりうると研究は結んでいる。