癌患者を診たこともない医師が思いつきで提案「イソジン牛乳」 科学根拠無し
2018年9月11日 11:28
あるAnonymous Coward曰く、 心が弱った癌患者に付け込むトンデモ療法は枚挙に暇がないが、ハフィントンポストがそのうちの一つ「イソジン牛乳」なるものが広がった経緯をまとめた記事が興味深かったのでシェアする(ハフィントンポストの記事)。
「イソジン牛乳」は西日本の80歳の整形外科医がなんとなく考えたものを特に実験なども行わずに提唱したもので、学術誌に何度も提出するも当然全く採用されず、メディカル・ハイポッセシーズという(おそらく掲載料さえ払えば何でも載せる)論文誌でようやく採用されたという。根拠について問われると、氏は「イソジン牛乳で直ったという人が5~6人居る」と語ったが、いずれも通常の治療と並行してで、特にイソジン牛乳を理由とする根拠は無いものだったという。
国立がん研究センターでは「イソジン牛乳」の信憑性について「信頼度は最低のレベル、単なる空想と同じ」と語っている。また記事ではこうしたトンデモ療法に対して「治りたい人の心をもて遊んでいる」と語るとともに、「健康被害の可能性」「高額な費用がかかる恐れ」「標準的な治療を遠ざける危険性」のいずれかから避けるべきとまとめている。
論文はElsevierの「Medical Hypotheses」という論文誌に掲載されているそうだが、この論文誌は「仮説」を掲載する論文誌で、内容の真偽や根拠は求められないようだ。
なお、イソジンの製造元は牛乳に混ぜて飲むという使い方について、「有効性や安全性について確認されていない」とし、こういった使い方をしないよう注意している。