宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機 打ち上げ延期に

2018年9月10日 16:13

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は9日、宇宙ステーション補給機「こうのとり」7号機の打ち上げを延期することを発表した。こうのとり7号を搭載したH-IIBロケット7号機は、11日に種子島宇宙センターから発射される予定だった。だが打ち上げ前日から当日にかけて、グアムに位置する地上局の天候悪化が予想されるため、延期されることが決定した。

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 「こうのとり」のミッションは、地上約400キロメートル上空の国際宇宙ステーション(ISS)に、食糧や衣類、実験装置などを届けることだ。ISS計画は日本を含めた15カ国が協力するプロジェクトで、地球や天体の観測、宇宙での実験や研究等を実施する。無人補給船を有するのは日米露の3カ国のみであり、「こうのとり」はそのうちのひとつだ。

 こうのとりを搭載するH-IIBロケットの打ち上げは7月13日に、JAXAが発表。打ち上げの実施場所は、種子島宇宙センター以外にも、小笠原追跡所、内之浦宇宙空間観測所、グアムダウンレンジ局を含む。

 ロケットが正常に飛行しているかや搭載機器の状態を、電波で地上に知らせる必要がある。ロケットから送られる電波は内之浦宇宙空間観測所で受信、ロケットの状況を確認できる。内之浦宇宙空間観測所以外でも、ロケットから送られる電波は受信され、グアムダウンレンジ局もそのひとつだ。地球が丸いことから水平線の向こうにロケットが行くと電波を受信できなくなるため、ロケットの飛行する途中に何カ所か受信局を設けて、内之浦宇宙空間観測所にデータを送る。

 今回H-IIBロケットの打ち上げが延期になった理由は、マーシャル諸島で7日に発生した台風22号により、打ち上げ前日から当日にかけてグアムダウンレンジ局付近の天候が悪化するためだ。

 新たな打ち上げ日については、JAXAは決定次第報告するとしている。なおH-IIBロケットの打ち上げ予備期間は、12日から10月31日までを予定している。(記事:角野未智・記事一覧を見る

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