新入社員、「業務負荷や労働時間が増しても挑戦したい」6割

2018年9月10日 09:09

 現在、日本の就労現場は政府主導の働き方改革が推し進められており、従来の日本の職場環境と大きく様変わりしてきている。また、企業内でもバブル世代や氷河期世代、インターネットやグローバル化の中で育ってきた若い世代とそれぞれの世代の仕事での時代背景も大きく異なる。

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 こうした視点から日本能率協会マネジメントセンターが2017、2018年に入社した新入社員391名と新入社員の育成に関わる上司・先輩社員516名を対象に新入社員の働き方と指導者の接し方に関するアンケート調査を実施し、その結果を公表した。

 「失敗から学ぶことは重要か」という質問に対し、「そう思う」と回答した者の割合は、「バブル期入社」では74.6%、「氷河期入社」では76.1%、「新入社員」では71.9%となっており、全ての世代で「失敗から学ぶことは重要」という認識を持っているようだ。

 また、「仕事で失敗したくないか」という質問に対しては、「そう思う」と回答した者の割合は「バブル期入社」で66.7%、「氷河期入社」では70.1%、「新入社員」82.9%となっており、若い世代になるほど失敗することへの不安が大きいという結果であった。これは経験を積むほど失敗した際の対応能力が向上し、逆に経験の少ない若い世代ほどそのような経験・スキルが少なく失敗を恐れるのは当然と言えよう。

 新入社員に対して「自分自身が成長することに対して、どのように考えるか」という質問に対しては、「一時的に業務の負荷や労働時間が増えても挑戦したい」と答えた者の割合は60.6%で、「無理のない範囲で業務に取り組みたい」と答えた者は39.4%であった。新入社員の6割が失敗への不安を持ちながらも自己を成長させるために様々なことに挑戦したいという意欲を持っているようだ。

 一方、上司・先輩社員に「新人の成長につながる仕事であっても、残業しないことを優先して仕事を減らしているか」という質問に対しては58.5%が「残業・仕事を減らしている」と回答しており、41.5%が「負荷は配慮するが、必要な仕事は残業になっても依頼している」と答えている。

 働き方改革による長時間労働是正の取り組みの中で、自己の成長のために長時間労働でもチャレンジしたいという若手社員との意識にギャップがありそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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