シチズン時計、1Qは増収増益 工作機械事業は全エリアで受注好調
2018年9月7日 19:27
決算のポイント
古川敏之氏:広報・IR担当の古川でございます。本日は大変お忙しい中、電話会議にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
第1四半期の決算の概況につきましては、私からご説明をさせていただきます。なお、説明につきましては、当社ホームページに掲載しておりますパワーポイントの決算説明会資料に沿って進めてまいりますので、よろしくお願いいたします。
それではまず、2ページ。今回の決算の主なポイントにつきまして、ご説明いたします。
当社の第1四半期の実績につきましては、増収増益となりました。
主要事業の概況としましては、まず時計事業の完成品販売につきましては、海外向け販売は、中国・北米市場が牽引いたしまして、増収となっております。一方で国内向けは、消費の回復が想定よりも緩やかに止まり、売上が伸び悩んでおります。また、ムーブメント販売が低進捗であったことが響き、時計事業としては、減収減益となっております。
工作機械事業につきましては、欧州や米国を中心に、全エリアで好調な受注が継続いたしまして、大幅な増収増益となっております。
また、通期の業績予想でございますが、今回は期初予想から変更いたしておりません。以上が、主なポイントになります。
2018年度 第1四半期連結業績概要
それでは、説明に入らせていただきます。3ページです。第1四半期の業績概要となっております。
売上高につきましては、前期比2.5パーセント増の745億円と、増収となった工作機械事業が牽引し、増収となっております。
営業利益につきましては、前期比18.5パーセント増の45億円と、工作機械の増収とデバイス事業の収益改善が寄与しまして、増益となっております。
営業利益率は、前期の5.3パーセントから6.1パーセントに改善しております。
経常利益につきましては、為替差益が5億円計上されたことなどもありまして、前期比で30.8パーセント増の59億円となっております。
また、四半期純利益につきましては、前期比47.9パーセント増の39億円となりました。
セグメント別業績推移 売上高
4ページになります。こちらは、セグメント別の売上高となっております。
まず時計事業ですが、前期比で1.5パーセント減の358億円と、若干の減収となりました。
工作機械事業につきましては、前期比29パーセント増の171億円と、増収。
デバイス事業につきましては、前期比6.2パーセント減の155億円と、減収となっております。
これら主要3事業の状況につきましては、後ほど詳しく説明をさせていただきます。
それから、電子機器事業です。こちらは、バーコードプリンターの新製品が好調に推移をいたしましたが、主力のフォトプリンターの落ち込みが大きく、前期比で7.6パーセント減の45億円と、減収となっております。
その他の事業につきましては、宝飾製品が消費マインドの低迷等もあり、前期比3.2パーセント減の13億円の減収となっております。
セグメント別業績推移 営業利益
続きまして、5ページ。セグメント別の営業利益でございます。
時計事業につきましては、前期比で10.1パーセント減の23億円。
工作機械事業につきましては、前期比94.1パーセント増の31億円。
デバイス事業につきましては、前期比で15.3パーセント増の7億円という結果となっております。
時計事業 第1四半期業績推移
それでは、主要事業の説明に移らせていただきます。6ページ。まずは、時計事業でございます。
完成品販売につきましては、先ほども少し申し上げましたが、地域ごとに差はあるものの、主に北米と中国が牽引しまして、増収となっております。
北米は、円高の影響も若干受けておりますけども、ジュエリーチェーン、それからデパートなどの主要なルーツにおいて、セルスルーが好調に推移しております。当四半期におきましては、とくに、グローバルブランドが新製品の効果もありまして、大きく売上を伸ばしている状況でございます。米国の消費の回復につきましては、想定を上回りつつあると見ております。
欧州ですが、こちらは全般的に、消費が停滞しております。そんな中で、主要国のドイツでは、新商品のチタンモデルの販促キャンペーンが好調に推移しまして、堅調な結果を残しました。
また、イタリアは、消費が低迷している中で善戦をいたしまして増収となりましたが、イギリスが流通再編の影響などを受けまして、大幅な減収となり、欧州全体では減収となっております。
アジア地域でございますが、中国が依然好調を維持しております。昨年(2017年)までは、どちらかというと数量の伸びが牽引をしてきておりましたが、今年(2018年)に入りまして、平均単価の上昇が見られるなど、回復が本格化しつつあると見ております。その他アジア地域も、台湾は低迷いたしましたが、香港をはじめ、ほとんどの主要国で販売を伸ばし、大きく増収となっております。
国内でございます。こちらは、創業100周年記念限定モデルの販売、それに伴う販促キャンペーン等を実施いたしまして、需要喚起に努めた結果、新製品の販売は好調に推移をいたしましたが、時計市場全体の回復は緩やかに止まり、前期を若干下回る結果となりました。
それから、ムーブメント販売につきましては、機械式の売上が回復しておりますが、アナログクォーツにつきましては、薄型の伸びが鈍化したほか、高機能製品の需要の回復に力強さが見られず、減収となっております。
時計事業の営業利益につきましては、主にムーブメント販売の減収が響き、減益となっております。
第2四半期以降につきましては、国内は、流通在庫がまだ多めであるという状況でございますが、年末の商戦期に向けた新製品の投入や販促キャンペーンで、事業環境を続けてまいります。
海外につきましては、欧州で不透明な状況が続くと見ておりますけども、中国・アジア・北米はしっかりとした回復基調に乗っており、年末商戦に向けて期待できると考えております。
また、ムーブメント販売につきましては、明確な需要の回復が見られておりませんが、クリスマス商戦向けに売上のピークを迎える今後数ヶ月を注視してまいりたいと考えております。
以上が、時計事業になります。
工作機械事業 第1四半期業績推移
次に、7ページの工作機械事業になります。
工作機械事業につきましては、国内外で旺盛な受注環境を受けまして、大幅な増収となっております。
中でも欧州が、自動車関連を中心に、ドイツやイタリア等で好調な受注が継続したほか、米国も医療・ジョブショップを中心に市況が堅調に推移して、両市場で大幅な伸長を見せました。国内の幅広い業種からの好調な受注は変わっておらず、中国・アジアも順調に推移しております。
部材調達の環境は依然厳しいままですが、ここまでのところ、なんとか生産を計画どおりにコントロールできております。足元では、タイ工場の塗装工程の増強をして内製化を高めたり、それから、ベトナム工場の鋳物の生産能力を1.5倍にするなどの施策も取ってきております。
また、Miyano機の受注需要増加への対応といたしまして、来年(2019年)1月より、フィリピン工場を増床いたしまして、組立能力を倍増する予定となっております。その結果、Miyano機の組立能力は、全体では3割程度増加する見込みとなっております。
第1四半期の営業利益につきましては、先進国を中心に高機能機種の売上が伸びたこともありまして、大幅な増益となっております。
また、第2四半期以降につきましても、どちらかというと受注は上振れ傾向にありまして、懸念はございませんが、業績見通しの修正は行っておりません。
以上が、工作機械になります。
デバイス事業 第1四半期業績推移
最後に、デバイス事業でございます。8ページです。
精密加工部品のうち、自動車部品は、ブレーキ部品が国内向けを中心に堅調に推移したほか、スイッチも、前年で大きく落ち込んだスマートフォン向けが回復し、増収となっております。
オプトデバイスにつきましては、車載向けチップLEDの好調が継続いたしました。
照明向けLEDは、価格を無理に追従せず、差別化製品の提案に注力をいたしましたが、オプトデバイス全体としては、減収となっております。
その他のデバイス部品では、推奨デバイスの売上が伸び悩んだことなどによりまして、減収となっております。
当四半期の営業利益につきましては、自動車部品・車載向けチップLEDが好調推移したほか、スイッチの損益改善が寄与いたしまして、増益となっております。
第2四半期以降につきましても、自動車部品・車載向けチップLEDは、引き続き堅調に推移すると見ておりますが、一方でオプトデバイスは、スイッチにおける価格競争が厳しさを増していく見通しでございまして、収益を重視した取り組みを継続してまいりたいと考えております。
2018年度 上期及び通期連結業績予想
9ページは、上期および通期連結業績予想の表になっておりますけども、冒頭で申し上げたとおり、期初予想から変更はございません。
2018年度 セグメント別業績予想
10ページも、セグメント別の業績予想となっておりますが、セグメント別の内訳に関しても、今回変更をしておりません。
以上が、決算の概況の説明になります。
トピックス
最後に、トピックスといたしまして、先ほども若干言及いたしました、クリスマス商戦に向けたフラッグシップ商品のご紹介をさせていただきます。
11ページです。左側の写真は、世界でもっとも薄い、厚さ1ミリメートルの光発電ムーブメントを搭載した「エコ・ドライブワン」のスーパーチタニウムモデルとなっております。
2016年に「BASELWORLD」で発表いたしまして、大きな反響を得ている「エコ・ドライブワン」でございますが、当社が得意といたしますスーパーチタニウムを用い、ラインナップを拡充して、主に国内時計市場におきまして、高価格帯の販売をさらに強化してくことを狙っております。
右側の写真は、第1四半期に好調であった、100周年記念モデルの第2弾となります。「エコ・ドライブ」を基軸といたしまして、スーパーチタニウム、デュラテクト、電波時計、GPS衛星電波時計などを搭載いたしました旧モデルを、世界数量限定で展開してまいります。こちらも販促キャンペーンと同時に展開することによりまして、中価格帯市場の需要喚起に努めてまいりたいと考えております。
私からの説明は、以上となります。