企業のIT導入、課題は価格46.7% 導入補助金を知らない78% 事業主の実態
2018年8月29日 10:45
28日、ミロク情報サービスが発表したIT化推進に関する実態調査の結果によると、事業主の46.7%がIT導入の課題を「価格」と捉えている一方で、「IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)」について78%が「知らない」と回答した。
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■事業主の現状
事業主が抱えるIT導入の課題を多い順に見ると、「価格」が46.7%、「ITに詳しい・導入推進できる人材の不足」が33.3%、「必要なサービスが不明」が22.7%となった。
年間のIT投資額を聞くと50万円未満が51.5%と半数を占め、50万円以上が30.2%、うち、1,000万円以上は6.9%だった。「IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)」を認知しているかについて問うと、78%が「知らない」と回答した。
46.7%が価格を課題とし、半数以上が50万円未満の投資という現状から、多くが価格への不安を抱えていると分かる。しかしその一方で補助金に対する認知は少ない。ここに何らかのヒントがあるのではないだろうか。
■税理士・公認会計士は事業主のIT導入をどうサポートしているか
税理士・公認会計士事務所に、顧問先とIT分野についてどう関わっているか尋ねると、49.7%が「顧問先とITに関する話題にならない」と回答した。その理由は「税理士・公認会計士も顧問先もITに詳しくないから」である。
顧問先に提供しているIT関連情報について聞くと、最多は「提供していない」が49.3%で前述の「ITに関する話題にならない」を裏付ける形となった。しかし、「導入実績のある機器やサービス関連の情報」が19.7%、「ITの利活用で生じるコストカットの情報」17.3%、「最新のIT関連情報」が16.7%と、情報を提供している状況も存在することが伺える。
助成金・補助金等についてはどうだろうか?IT導入に関連する助成金・補助金等のアドバイスについて尋ねると、88.8%が「助成金・補助金等に関するアドバイスを顧問先にしたことはない」と答えた。
理由は「本業以外やらない」30.7%、「サポートが面倒」23.8%、「導入の責任が持てない」23.4%。これには、税理士・公認会計士事務所が顧問先とどう関わっているのかも影響しているのだろう。
しかし事業主に、「会計事務所からIT導入補助金・優遇税制等の情報を提供されたいか」について尋ねると、67%が「定期的もしくは対象を限定して情報提供して欲しい」と回答している。また前述の通り、価格への不安を抱える層は多いが補助金を認知している層は少ない。
財務のプロである税理士・公認会計士が、事業主にIT導入補助金・優遇税制等の情報をアドバイスすることで、事業主は課題を改善するきっかけが掴めるのではないだろうか。
調査は、7月13~7月23日の間に実施。300名の事業主及び294名の税理士と公認会計士を対象に、導入や投資額等ITに関連する各種状況を聞いた。(記事:楽趣みくす・記事一覧を見る)