「ココナッツオイルは毒そのもの」ハーバード大学の教授が指摘
2018年8月28日 21:31
●講義の内容はYoutubeで100万回以上閲覧
「ココナッツオイルは純粋な毒」であることを報告したのは、ハーバード T.H. チャン・スクール・オブ・パブリック・ヘルスの疫学研究者カリン・ミシェル教授である。
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自らが長を務める予防腫瘍疫学学会がドイツのフライブルク大学で開催された際、ミシェル教授はココナッツオイルが心臓脈管系にもたらす悪影響を主張した。
ミシェル教授の50分にわたる講義は、Youtubeでも閲覧でき、すでに100万回以上の再生を記録した。近年、健康や美容に有効とされブームとなってきたココナッツオイルには、どのような危険性があるのであろうか。
●「口にしうる食物の中で最も危険なもののひとつ」
「スーパーフード」のひとつとしてもてはやされてきたココナッツオイルのブームにストップをかけることになったミシェル教授の主張は、ココナッツオイルの脂肪分の80パーセント以上が飽和脂肪酸であるという点にある。この飽和脂肪酸の量は、ラードの2倍にあたる。
じつは、ココナッツオイルが有するこの飽和脂肪酸の量については、昨年既にアメリカ心臓協会が指摘し、その安全性に疑問を呈していた。つまり、ココナッツオイルは悪玉コレステロールを増加させるため、肯定的な効果はなく摂取は推奨できないと発表したのである。
しかし、アメリカでは国民のおよそ4分の3がココナッツオイルの有効性を信じており、心臓協会の発表のあともこの説に同意した栄養学者は37%にとどまっているという。
ミシェル教授はこうした世論に警鐘を鳴らすように、「ココナッツオイルは、口にしうる食物の中で最も危険なもののひとつ」と断言した。
●ココナッツオイルの有効性を裏付ける科学的証拠がない
ミシェル教授ほど強い口調ではなかったものの、英国栄養協会もココナッツオイルの健康への寄与については疑問視してきた。巷で言われているようなココナッツオイルの有効性が科学的に裏付けられないため、その摂取には注意が必要と述べている。また、少量であればすぐに健康を害する可能性は少ないものの、飽和脂肪酸の量が多いことを考慮し、あくまでバランスの取れた食生活を基本とすることが推奨されている。
ココナッツオイルがダイエットに有効であるという説は、2000年にコロンビア大学が発表した研究が根拠となっている。ココナッツに含まれる中鎖脂肪酸が、より早く脂肪を燃焼させたという研究が発端であったとされ、その後、売り上げが上昇した経緯がある。