シェアサイクル「メルチャリ」、国立市で実証実験を開始 全国2例目
2018年8月23日 21:14
メルカリは22日、シェアサイクルサービス「メルチャリ」の実証実験を東京都国立市で開始した。交通渋滞の緩和などの効果を検証するために、約3カ月に渡り実施する予定だ。メルチャリは、利用者である個人と地域が参加型で運営を行うという、新しいシェアサイクルサービスとして、2018年2月27日に福岡県福岡市で開始。今回は、これに次ぐ2例目の導入となる。
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メルチャリの使用方法は、専用のスマートフォンアプリ(iOSのみ)をダウンロードし、自転車を見つけたらアプリでQRを読み込んで解錠。利用後は専用ポートに自転車をおいて施錠し終了。料金は1分4円。自転車のレンタルから返却まで簡単に行うことができる手軽さが特徴だ。
国立市での実証実験では、約100台の自転車を導入し、約70カ所のポート(駐輪スペース)を設置する予定。行政や市民、地元商工業者、地元各種団体、一般企業などの協力を得て、「参加型シェアサイクル」の実現に向けての取り組みを行う。実験を通じ、「市内の回遊性の向上」、「バス等の利用が難しい地域での公共交通としての補完」、「駐輪場の混雑緩和」、「自動車利用の削減による環境保全」などの効果を検証していく。
今回実験を行う国立市は、緑の中に自転車道が整備され、多摩川沿いには川崎まで続くサイクリングロードを有する「自転車の似合うまち」である。地形もほぼフラットなことから、2014年に施行された国立市地域交通計画では「自転車の街くにたち」を目指し、コミュニティサイクルの民間活力導入が計画されていた。
また同市が、東西2.3km、南北3.7kmという全国の市で4番目に小さな「コンパクト」な自治体であることも背景にあるという。「メルチャリ」は、「トライ&エラーを繰り返し、ブラッシュアップする」と「仮説と検証を積み重ね、知見を蓄積する」ことが重要としており、「見渡せるコンパクトさ」である面積は有益な条件になるという。加えて、行政と市民の距離が近い7万5,000人という人口も、参加型シェアサイクルの実現に適していたという。