JR、フルムーン夫婦グリーンパスを2018年も9月1日から発売開始

2018年8月22日 18:45

 JRグループでは2018年も、2人の年齢を合算して88歳以上の夫婦を対象に、9月1日からJR線のグリーン車(新幹線「のぞみ」号「みずほ」号など、一部の列車は除く)が繰り返し乗降できる「フルムーン夫婦グリーンパス」を発売する。

【こちらも】JR東、首都圏の在来線全車両に防犯カメラ設置へ 新幹線の防犯対策も強化

 「フルムーン夫婦グリーンパス」は1981年、国鉄時代に初めて発売され、2018年で37年目になるロングセラー商品。熟年および老年夫婦を対象としたこの特別企画乗車券は少子高齢化の現在、JRの主力商品と言える。

 発売期間は2018年9月1日(土)から2019年5月31日(金)まで、利用期間は2018年10月1日(月)から2019年6月30日(日)の期間内で、連続した5・7・12日用の3種類が発売される。提示した際にすぐに認知してもらえるよう、有効期間別にパスを用意している。

 一見、お得感の多いパスだが、2018年12月28日(金)から2019年1月6日(日)、2019年3月21日(木)から2019年4月5日(金)、2019年4月27日(土)から2019年5月6日(月)の期間は、有効期間内であっても利用できない。いずれの期間も年末年始や大型連休など、大きく人の動く時期。この時期は鉄道利用者も多いことら、優待券などで人を集中させるとかえって不利益を被る人が出る可能性もあるため、除外して活用できるようにしている。

 「フルムーン夫婦グリーンパス」の価格は、2人分で5日間用が8万2,800円、7日間用が10万2,750円、12日間用が12万7,950円となり、どちらか1名が70歳以上であれば、シルバー割引で5,000円が値引きされる。

 「夫婦」とあるが、これを証明するための規定などはなく、きっぷに記載された「夫婦」が同一行程で利用する場合に有効としており、この場合事実婚でも問題はない。結婚観や婚姻に関しての多様化が進む中、「夫婦」という規定はそもそもが非常に曖昧で不安定にも感じられる。同パスの実効性を求めるのは唯一、年齢を証明できる公的証明書(健康保険証等)で、パスの購入時や、シルバー割引を受ける際に必要となってくる。

 同パスは単にグリーン車の利用だけにとどまることはなく、利用日にJRホテルグループの加盟ホテルに宿泊した場合、宿泊料金が割引になるなどの特典が受けられる。そうした手続きは利用者自身が行う必要があるものの、人生100年時代の今、健康なうちに列車の旅を楽しんでもらいたい――そんな思いから米寿のお祝いを、年齢を合算したカップルに対して行っているのかもしれない。(記事:M_imai・記事一覧を見る

関連記事

最新記事