主要都市の95地区で地価が緩やかに上昇 18年第2四半期 国交省発表
2018年8月18日 20:13
国土交通省が発表した「地価LOOKレポート」によると、主要100都市における地価上昇地区は2期連続で90%を超えつつ、大幅な上昇をした地域がないことから、主要地区の地価は緩やかな上昇基調にあることが分かった。
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■主要地区の地価は緩やかな上昇基調
17日、国土交通省が2018年第2四半期の地価LOOKレポートを発表した。これは、先行的に推移しやすい全国主要都市における高度利用地100地区の地価動向を把握したもので、不動産鑑定士が収集した不動産市場の動向などを元に国土交通省が集約している。年4回実施しており、今回は2018年4月1日から7月1日が対象期間。
発表によると、地価が3%以上6%未満上昇した地区が13地区(前回:15地区)、0%超3%未満上昇した地区が82地区(同:76地区)、横ばいが5地区(同9地区)で、3%以上6%未満の上昇が2地区減ったものの地価が下落した地区が無かったことから、「主要都市の地価は全体として緩やかな上昇基調が継続」としている。
■高い上昇をした地区は?
3%以上6%未満上昇した13地区は、札幌市の駅前通、東京区部の渋谷、表参道、横浜市の横浜駅西口、名古屋市の太閤口、伏見、金山、大阪市の心斎橋、なんば、福島、神戸市の三宮駅前、福岡市の博多駅周辺、熊本市の下通周辺。前回調査では、ここに名古屋市の名駅駅前と広島市の紙屋町が加わっていたが、どちらも今回は0%超3%未満の上昇に留まった。また、盛岡市の盛岡駅周辺、東京都の番町、佃・月島、吉祥寺が、横ばいから0%超3%未満の上昇に変化している。
■上昇の要因は?
オフィス市況は、空室率の低下等で好調を維持しており、再開発事業の進捗で繁華性も向上。訪日観光客の消費・宿泊需要は引き続き旺盛であり、利便性の高い地域等でのマンション需要も堅調。こういったことから、「雇用・所得環境の改善、金融緩和等による良好な資金調達環境と相まって不動産投資意欲が引き続き強いことなどが考えられる」ことを上昇の要因と推測している。
■26年第2四半期を最後に下落地区が無くなる
資料にある2007年第4四半期以降の推移を振り返ると、2007年第4四半期(対象地区:100)は、横ばいの11地区と0%超3%未満の下落の2地区を除く87地区が上昇と、9割近くが上昇していた。しかし、リーマンショック直後の2008年第4四半期(対象地区:150)には、横ばいの2地区を除く148地区で下落し、3%を超える下落も全体の7割以上を占める115地区となっていた。
その後は上昇基調に転じ、2010年第1四半期以降は9%以上下落した地区は無くなり、2011年第4四半期以降には、3%以上下落した地区も無くなっている。さらに、2014年第2四半期を最後に0%超3%未満の下落地区もなくなり、以後は横ばい、もしくは上昇した地区だけの傾向が続いている。
■16年第3四半期を最後に大幅上昇も無し
2018年第2四半期は、上昇地区が95地区(95%)となり、前回調査(91地区、91%)に続いて2回連続での90%超え。
一方で、2007年第4四半期に5地区あった6%以上の地価上昇地区は、2016年第2四半期にも3地区(東京の銀座中央、名古屋の太閤口、大阪のなんば)あったものの、2016年第3四半期を最後に無くなっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)