全面禁煙の串カツ田中が既存店売上を回復 居酒屋チェーン7月売上
2018年8月14日 11:35
居酒屋チェーン各社が7月の売上を発表し、全面禁煙を打ち出した串カツ田中が既存店売上を回復する一方、鳥貴族やワタミなど、多くのチェーンで既存店を中心に厳しい状況となっていることが分かった。
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■全面禁煙の串カツ田中は既存店の売上がプラスに
3日、串カツ田中が7月の月次報告を発表した。直営店における前年同月比で、既存店売上高が1.9%増、客数が4.1%増、客単価が2.1%減、全店売上高が32.4%増、客数が34.3%増、客単価が1.5%減だった。
順調な出店により全店売上も増えており、7月時の直営店舗数は90店。昨年7月時の店舗数は67店のため、店舗数は34.3%増となる。開店日にもよるが、店舗数(34.3%増)並みに、全店の客数(34.4%増)が増加しているようだ。また6月開始の全面禁煙も話題になったが、既存店の客数は6月:2.2%増->7月:4.1%増と増加し、既存店売上は6月:2.9%減 -> 7月:1.9%増とプラスになった。
なお、7月の出店は7店(直営:4店、フランチャイズ:3店)、閉店は無く、店舗数は204店(直営:90店、フランチャイズ:114店)。
■鳥貴族は既存店客数が減少続く
7日、鳥貴族が今期(2017年8月~18年7月)の締めとなる7月の月次報告を発表した。前年同月比で、既存店売上高が11.2%減、客数が14.2%減、客単価が3.5%増、全店売上高が8.6%増だった。
既存店における客単価の前年比プラスは続いているものの、客数は17年12月から8カ月連続で、売上は18年1月から7カ月連続で前期比マイナス。今期累計では、既存店売上高が3.7%減、客数が5.7%減、客単価が2.1%増、全店売上高が16.2%増となっており、積極的な出店により全店売上高が増加しているものの、既存店の厳しい状況が明確になっている。
なお、7月の出店は21店、閉店は無く、店舗数は665店(直営:423店、鳥貴族カムレードチェーン:242店)。
■ワタミは客数減で売上もダウン
10日、ワタミが7月次の近況を発表した。前年同月比で、国内外食事業における既存店売上高が5.6%減、客数が5.3%減、客単価が0.4%減、全店合計売上高が4.9%減、客数が4.6%減、客単価が0.3%減だった。
今期(2018年4月~19年3月)は、4~6月まで、既存店・全店売上高ともに前期比プラスが続いていたものの、7月にどちらも途切れた格好。客単価は横ばいのため、客数の落ち込みが、そのまま売り上げに影響を与えている。
なお、7月の出店は2店、転換は10店、撤退は無く、店舗数は468店。
■大庄は既存店・全店ともに厳しく
10日、「庄や」などを展開する大庄が7月の月次売上状況を発表した。前年同月比で、既存店売上高が4.0%減、客数が3.3%減、客単価が0.7%減、全店売上高が8.7%減、客数が7.3%減、客単価が1.5%減だった。
6月の既存店売上高は1.7%増と3月(1.6%増)以来の浮上だったものの、7月に再び前期比マイナスに沈んだ。残り1カ月となった今期(2017年9月~18年8月)累計は、既存店売上高が1.6%減、全店売上高が7.0%減のため、どちらもプラスとなるのは難しそうだ。
なお、7月の出店は2店、改装は2店、閉店は1店で、店舗数は503店。
■マルシェは既存店厳しく
13日、「八剣伝」などを展開するマルシェグループが7月の月次飲料売上を発表した。前年同月比で、既存店売上高が7.1%減、客数が7.5%減、客単価が0.5%増、全店売上高が変わらず、客数が0.6%増、客単価が0.5%減だった。
既存店は客単価が堅調ながら、客数に引っ張られて売上は前期比マイナスが続いている。全店では客数、客単価に波があるものの、今期(2018年4月~19年3月)の全店売上は、4月:0.1%増、5月:1.5%減、6月:5.0%増、そして7月の0.0%と堅調な数字となっている。
■ヨシックスも既存店が不振
13日、「ニパチ」などを展開するヨシックスが7月の月次売上を発表した。前年同月比で、既存店売上高が5.4%減、全店売上高が11.0%増だった(客数、客単価は未発表)。
今期(2018年4月~19年3月)の4カ月の中で、既存店売上高がプラスとなったのは6月(1.3%増)のみと厳しい状況。全店売上高は4カ月全てでプラスながら、前期の20%超えが珍しくなかった数字からすると、店舗数が増えたことにより、やや伸び悩みの感がある。
なお、7月の出店は4店、退店は1店で、店舗数は294店。(記事:県田勢・記事一覧を見る)