中国・杭州市とアリババ、交通渋滞緩和のためのシステムを構築

2018年8月9日 11:11

 中国・杭州市では、2016年から人工知能を活用した都市管理システムの導入を進めている。まず最初にターゲットとされた道路交通状況の管理においては、実際に渋滞が減少するといった効果が見られているそうだ(toutiao.com)。

 このシステムは杭州市とAlibabaが共同で構築したもので、2017年7月に稼動が開始されて、複数の区域で導入が行われた。その結果、たとえば「中河一上塘高架道路」と「莫干山路」の2つの道路では前者で平均4.6分ほど、後者で平均1分ほど通過時間が短縮されたという。また、別の地域では自動車の運行速度が2割ほど上がったと報告されている。

 このシステムは、数千もの監視カメラから取得した映像から交通状況を判断して信号機を制御するというもの。また、事故などが発生した場合には現場に救急車両などが迅速に到着できるような制御も行うという。これも実際に救助活動までの時間が減少するといった成果が確認されているそうだ。

 ある住民によると、交通量が非常に多い渋滞の「名所」だった道路が秩序が取れた状況に変わったという。渋滞が多いことで知られていたほかの場所も改善が進み、自動車が利用しやすくなったとしている。とはいえ、これが都市管理システムによるものかどうかは分からないとも感じていると答えている。

 今後このシステムは道路交通だけでなく、セキュリティや都市機能管理、医療、旅行、環境保護などにも制御対象を拡大する予定だという。ちなみに、現在までに収集したデータは約37億件でデータ容量は46TB以上だそうだ。

 ただ、これによって渋滞が完全に消えたというわけではなく、依然として現地では渋滞が続いているという(現地の状況を報告したTweet)。

関連記事

最新記事