暗号通貨の給与支払い増加に、厚生労働省は困惑

2018年8月8日 18:11


*18:11JST 暗号通貨の給与支払い増加に、厚生労働省は困惑
厚生労働省は、東京都とベンチャー企業らがいっしょになって、労働基準法の規制緩和を求めていることに、混乱を隠そうとしない。日本社会は労働基準法のもとで、70年以上にわたって給与は法定通貨の現金支給を守ってきた。しかし、デジタル通貨と暗号通貨での給与支払いの増加で、銀行からの現金引き出しの不必要性が増してきている。
経済システムの構造改革を進めることを優先することによって国際的な経済活動の拠点づくりを促進することや、産業の国際的競争力を高めるという視点に基づいて、政府によって指定された国家戦略特区は、東京に拠点を置く企業といっしょになって、規制緩和を求めていると報じられている。
2018年2月14日、特定の分野で、プリペイドカードの機能を搭載しているスマートフォンに、給与の支払いを行うことを議論するために、国家戦略特別区諮問会議が開催された。政府は、ウォレットして使われるスマートフォンに給与を振り込むことによって、利便性が高まることを目的にしていた。全体の考えは、日本で銀行口座を開設することが難しい外国人労働者の便宜を図るという意図もあった。
労働基準法のもとでは、給与はいつも現金で支払われていたが、労働基準法の管轄下の厚生労働省は、電子マネーの運営者が破綻するときに、給与の振り込みを守る具体的な手段を考えなければならないと、述べた。

地方創生大臣の梶山弘志氏は、2018年7月14日に開かれた記者会見で、国家戦略特別区諮問会議で、給与をプリペイドカードに入金するという面白い提案を受けたと語ったと、日本経済新聞は伝えた。
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福岡市に拠点を構えるドレミングは、給与をスマートフォンに送金できるソフトウエアを開発しているが、安倍晋三首相自身の前でプレゼンテーションを行ったと報じられている。
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「私たちは、モバイルスマートフォンの電子ウォレットに給与を電子的に支払いできるように、現在の規制の現状を緩和するためのソフトウエアを開発しました。それは、外国人に対する支払いを刺激するだけではなく、消費としても使えるものです」と会社側は述べた。
東京都知事である小池百合子氏の関心は、外国人労働者の増加にあった。
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そのような議論は、2018年3月頃から始まった。東京都は国家戦略特別区諮問会議で、ある考えを提案した。東京都知事の小池百合子氏は、「給与カード」という耳慣れない言葉に遭遇した。アメリカでは、2019年までに1200万人以上にプリペイドの「給与カード」が拡大すると期待されている。この「給与カード」だと、会社から支払われる給与を銀行講座を通さないで受け取ることができる。アメリカでは、多くの独立請負業者を抱えている企業ではしばしば、プリペイドの「給与カード」が利用されている。
このような「給与カード」は、銀行口座を持てない多くの人々が暮らすアフリカ諸国で導入が始まった。
雇用主は、銀行口座への給与振り込みから「給与カード」への入金へ徐々に変わってきている。
「給与カード」はデビットカードのようなもので、商品やサービスを買い求めたり、ATMで現金を引き出すこともできる。デビットカードと違って、カードに紐ついている銀行口座はないし、お金は直接雇用主から「給与カード」に振り込まれる。事実、「給与カード」に資金を追加できるのは雇用主だけである。
日本で働いている外国人労働者は、日本での住所が必要だし、もし、外国人労働者が銀行口座を開設したいと思えば、1年か1年以上の期間をカバーする在留カードが必要である。労働人口の不足によって、日本はますます外国人労働者を必要としている。厚生労働省によれば、2017年10月現在、127万人の外国人労働者が日本で働いている。その数は、2016年から18%も増加している。
「私たちは銀行口座を開設できない人々から多くの相談をうけてきています」と、東京都の担当者は日本経済新聞に語った。
この規制緩和の議論は、政府部内で論争を引き起こす可能性が高い。なぜなら、システムは銀行口座へ送金する必要性を排除するからであり、そのようなプロジェクトはキャッシュレスのコンセプトを加速させると期待されているからである。しかし、そのような権限を策定する厚生労働省は極めて慎重な態度である。
1947年に施行された労働基準法は、第24条一項で、給与の送金について規制をしている。一般的な規則として、給料日に会社は給料袋に現金を入れて、それを従業員に渡すと規定されている。今日、銀行振り込みは給料の支払いではもっとも当たり前になっているが、デジタル通貨についてはまだ考えられていない。
GMOインターネットグループは、2018年春から社員の給与の一部をビットコインで支払っている。LINEは給与とは別に、毎月、福利厚生の一部として社員にスマートフォン決済などで使用できる電子マネーを配布している。
厚生労働省は、最終的なゴールは、まず第一に労働者を守ることなので、そのような法律の改定には極めて慎重にならなければいけない。もしこの規制緩和が広く認められ、現金以外の給与の支払いが可能になれば、その価値が非常に怪しい独占的な暗号通貨を給与として支払うことによって、ブラック企業が従業員をこき使う可能性がある。
出典:NewsBitcoin


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