ネット視聴が増加でテレビは減少、テレビはネットしながら付けているだけ
2018年8月7日 10:40
メディアの多様化によって人々のテレビ離れが進んでいると言われ始めてから久しい。現在でもなお、情報通信技術の発展・普及とともにメディアは多様化し続けている。先月27日公表された総務省情報通信政策研究所のレポート「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」のデータも人々のメディア選択の多様化を裏付けるものだ。
報告書によれば、主なメディアであるテレビ(リアルタイム及び録画視聴)、インターネット、新聞、ラジオの中では、テレビのリアルタイム視聴の平均利用時間が最も長くなっており、平日では159.4分、休日では214.0分であるが共に減少傾向となっている。次いで多いのはインターネットの平均利用時間で、平日が100.4分、休日は123.0分となっており、一貫して増加傾向を示している。
平日の行為者率を見ると、テレビのリアルタイム視聴が80.8%でインターネット利用は78.0%となっており、既に平日の利用者率では両者は同程度となっている。10~30代では以前から平日・休日ともにインターネットの行為者率がテレビのリアルタイム視聴の行為者率を上回っていたが、今回40代でも同様にインターネットがテレビのリアルタイム視聴を上回った。
インターネットをしながらテレビのリアルタイム視聴をしている「ながら視聴」の状況は前回調査と同様で、平日・休日ともにゴールデンタイムの19時台から22時台の「ながら視聴」の割合は概ね10%台後半から20%台後半程度となっている。視聴率の高いゴールデンタイムでさえも、少なくない者がインターネットをしており、テレビは付けているだけのようだ。
1日当たりのインターネット利用時間の内訳を見ると、平日ではメールが30.4分で最も長く、次いでソーシャルメディアの27.0分となっており、休日ではソーシャルメディアが最も長く31.2分となっている。また、スマートフォンの利用率は80.4%で8割を越える結果となった。
メディアとしての信頼度は、新聞が68.7%、テレビ63.6%、インターネット30.8%、雑誌19.1%で順位は変わっていない。メディアの利用状況は大きく変わり続けているものの、情報の信頼度では上位2つのマスメディアが3位のインターネットの倍以上の数字となっており、ユーザーはこの点を考慮しながら適切に多様なメディアを利用しているようだ。(編集担当:久保田雄城)