IT投資、2018年度は更新投資が大幅増 Windows 10への更新で
2018年8月6日 11:10
財務省の法人企業統計で直近の設備投資動向を見ると2018年の1~3月期に全産業で14兆7720億円、前年比3.4%の高い伸びを維持している。このうちソフトウエア投資額は1兆3365億円で前年比は18.7%の増加となっており、企業の積極的なIT投資動向がうかがえる。
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本年度のIT投資動向の詳細についてミック経済研究所が4月、製造、流通、サービス業(公共、医療、研究機関、金融を除く)の企業について調査を行い、7月に「2018年度従業員規模別・業種別IT投資動向調査304社」としてレポートをまとめ公表した。ここでのIT投資とは、システム開発、運用、保守、アウトソーシング、クラウドサービス及びH/W・S/W導入等の投資・経費を集計したものである。
レポートによれば、本年度計画の「増加」企業は25.7%で前年度に比べ3.5ポイントの増加となっている。一方「減少」は9.9%で4.2ポイントの減少、「横ばい」は64.5%で0.7ポイントの増加となっており、「増加」から「減少」を差し引いた「増減ポイント」は7.8ポイントの大幅な増加となっている。
本年度のIT投資計画増加要因のウエイトを見ると、「事業拡大及び事業体力・体質強化」が17.9%で前年度比21.2ポイントの減少となっている一方、「システム更新」は82.1%で21.2ポイントの大幅な増加となっている。
「システム更新」の詳細を見ると、「入れ替え・バージョンアップ」が38.5%と最も高く、次いで「老朽化対策」の30.8%、「生産性・効率化向上」21.7%、「リース・保障期間切れ」が3.8%となっている。「入替・ バージョンアップ」は17年度の7.2%から18年度の38.5%と31.3ポイントの大幅な伸びで、このほとんどがWindows10への置き換えである。
現時点で最も稼働台数の多いWindows7のサポートが20年1月に終了する。これを前に本年度はWindows10搭載パソコン導入のピークになるとレポートは予測している。
Windows10からOSのメジャーアップデートを行わずに年2回程度の新機能アップデートを継続するといったサービスシステムになった。このサービス化によって導入コスト及び運用管理コストを下げられることになるが、最後のメジャーアップグレードを安全に行うためにベンダーに導入・運用管理を任せる企業も多くなっており、そのコストがIT投資計画に計上されている、とレポートでは見ている。(編集担当:久保田雄城)