NYの視点:円売り持ち高減:今週の注目:貿易摩擦の行方、米インフレ指標、中国貿易収支に注目
2018年8月6日 07:39
*07:39JST NYの視点:円売り持ち高減:今週の注目:貿易摩擦の行方、米インフレ指標、中国貿易収支に注目
短期投機家・投資家ポジションで円の売り持ち高は前々週から減少した。ユーロの買い持ち高も減少。
トランプ米大統領は休暇入り。しかし、貿易摩擦問題の行方に引き続き注目が集まる。NAFTA再交渉協議では進展が見られそうだが、米中貿易論争は長期化が懸念される。トランプ政権は、2000億ドル相当の中国製品への関税引き上げを検討。中国も、米国が関税を発動し次第、600憶ドル相当の米国製品に報復措置を講じると反発。
ロス商務長官は中国が行動を改めなければ、圧力を強めていく方針を表明。これに対し、中国も報復を続けていく姿勢を示した。米中貿易摩擦の長期化は、両国の経済にも悪影響を与えると懸念される。中国が発表する貿易収支の結果にも注目が集まる。
米国はイランに対する制裁を再開する。さらに、米国の利上げ軌道を確認するため、生産者物価指数(PPI)、消費者物価指数(CPI)といったインフレ指標に注目。
米国の7月雇用統計で非農業部門雇用者数は予想を下回ったが、夏休みで教員が減少したほか、玩具会社、トイザラスの破たんに絡み、小売りの解雇が増えたことによる一時的、季節的要因が強いと言われている。失業率も再び3%台へ低下したほか、不完全雇用率(U6)も17年ぶりの低水準となるなど、FRBによる今年あと2回の利上げの軌道に影響を与えることは少ないと考えられる。
アトランタ連銀は7-9月期国内総生産(GDP)の成長見通しを5.0%から4.4%へ引き下げ。7-9月期の実質消費の伸びと民間投資の伸びが3,4%、5.9%から、2.9%、4.2%へそれぞれ引き下げられた。
日本の4-6月期国内総生産(GDP)は1-3月期のマイナス成長からの回復が予想されている。ただ、物価の伸びが依然鈍く、日本銀行は当面大規模緩和を継続するとの思惑から円は軟調推移が継続すると考えられる。
■今週の主な注目イベント
●米国
7日:6月JOLT求人:5月663.8万人
9日:7月生産者物価指数(PPI):予想前月比+0.2%(6月+0.3%)、
コアPPI:前年比+2.8%(6月+2.8%)
10日:7月消費者物価指数(CPI):予想前月比+0.2%(6月+0.1%)、
コアPPI:前年比+2.3%(6月+2.3%)
●日本
8日:日銀、7月30-31日会合のサマリーを公表
10日:日本の4-6月期GDP:予想:前期比年率+1.4%(1-3月期:-0.6%)
●中国
8日:7月貿易収支:予想+390.5億ドル(6月+414.7億ドル)、
輸入:予想前年比+17%(6月+14.1%)、
輸出:予想:前年比+10.0%(6月+11.2%)、
7月PPI:予想前年比+4.5%(6月+4.7%)、
7月CPI:予想:前年比+2.0%(6月+1.9%)、
7月小売り売上高:前年比+9.2%(6月+9.0%)、
7月鉱工業生産:予想:前年比+6.3%(6月+6.0%)
●地政学的リスク
北朝鮮
イラン
ガザ紛争
イラク、イスラム過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」
シリア
イエメン《CS》