ケプラーの超新星「SN1604」は、2つの恒星残渣の合体か
2018年8月5日 09:56
1604年にヨハネス・ケプラーが観測した超新星爆発「SN1604」は、2つの恒星残渣(白色矮星)の合併によって引き起こされたと報告された。超新星爆発には大きく分けて、重力崩壊型と炭素爆燃型の2種類があるが、その後者であると最新の研究でわかった。
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phys.orgニュースによれば、研究者ピラール・ルイス・ラプテンテ氏(UB-IECC y CSIC)が率いる国際チームは、爆発が起こった二種混合の星が残っているか見つけようとしたという。研究者たちが、1日付けで天体物理学ジャーナルで報告した。
この連星のうち1つ(質量の高い方)が、恒星の寿命に達し白色矮星になると、もう1つの星はいわゆる「チャンドラセカール限界」という、白色矮星の質量の限界値(太陽質量の約1.44倍)に移行するという。このように質量が増加した場合、内部の温度が急上昇してしまう。これにより中心部で暴走的な核融合反応が始まり、炭素の中心点火につながり、超新星爆発を起こして中性子星となると考えられている。
ケプラーの超新星「SN1604」は、太陽系がある天の川銀河で起きた。現在は、超新星の残骸だけが残っている。太陽から1万6,300光年離れた、へびつかい座にあり、爆発当時は18カ月に渡って肉眼で見ることが出来たという。絶頂期にはマイナス3等級の明るさであり、金星につぐ明るさだったとケプラーの観測でわかっている。
ラプテンテ氏は「ケプラーの超新星の元になった可能性のある特有の星を探していた。私たちはSN1604(ケプラー超新星)の残りの中心にあるすべての星の動きを調べたが、予想された特徴を見いだすことはできなかった」と述べている。
この研究を実施するため、研究者らはハッブル宇宙望遠鏡(HST)で撮影した画像を研究した。Osservatorio Astronomico di Padovaの研究員であるLuigi Bedin氏は「現在まだ存在する超新星残骸の中心にある、32個の星団の動きを調べること」が目標だと述べている。
ケプラーの超新星「SN1604」は、熱核型(炭素爆燃型)の歴史的な超新星の1つである。他に、1572年デンマークの天文学者によって文書化されている、「SN1006」(2012年にこのチームによって調査された)などがある。