ふるさと納税1番人気は嬉野市の佐賀牛 さとふる調査 総務相通知には従わず
2018年8月1日 19:28
ふるさと納税ポータルサイトを運営する「さとふる」(東京都中央区)は7月31日、2018年上半期(1月~6月)にポータルサイトを通じて選ばれた返礼品の人気ランキングを公表した。1位は佐賀県嬉野市の「佐賀牛切り落とし1キログラム」で16年から3年連続の上半期1位となった。しかし、嬉野市は、返礼品の価格割合を3割以下にするよう求める総務大臣通知に従っていないとして、総務省に自治体名を公表されたばかりで、高額な返礼品の是非が今後、改めて議論となりそうだ。
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さとふるによると、人気ランキングの2位は長野県高森町の「長野県産 シャインマスカット約2キログラム」、3位は宮崎県えびの市の「うなぎかば焼き2尾(計320グラム)」だった。このほか、5位が福岡県上毛町の「九州産黒毛和牛切り落とし1キログラム」、8位が佐賀県唐津市の「老舗肉屋の特上ハンバーグ10個」など、10位まですべてが肉や魚介類、フルーツなど地元で生産・加工されている食品だった。
ふるさと納税は、都道府県や市区町村を自由に選んで寄付(ふるさと納税)した場合、寄付額のうち2千円を超える部分について、一定限度額まで原則として所得税・住民税の控除が受けられる制度。寄付のお礼として自治体から送られる返礼品が話題となったこともあって、ふるさと納税の件数や寄付額は右肩上がりに増加し、17年度は1,730万件(前年度比1.28倍)、3,653億円(同1.36倍)となった。
しかし、一方で各自治体が競って高額な返礼品を用意するなど、ふるさと納税の獲得競争が過熱。このため総務省は2018年4月、(1)返礼品の価格は寄付額の3割以下が好ましい(2)返礼品は地元で生産されたもの、地元で提供されるサービスが適切―などとする大臣名の通知を各自治体に送った。その後7月6日には、寄付受入額が10憶円以上で、通知に従わず返礼品の内容を見直す予定のない12の自治体名を公表した。
ランキングで1位となった嬉野市もそのうちの1つで、5位の上毛町、8位の唐津市も自治体名公表の対象となった。
依然として総務省の通知に従わない高額な返礼品に人気を集まっていることに、寄付金のあまり集まらない自治体や都市部の自治体から、制度の見直しを求める声が高まることも予想される。