リモートワークの導入率、日本は11.5% アメリカは50%
2018年7月31日 09:11
リモートワークとは在宅の雇用を指し、在宅の個人事業主とは異なる。企業側にとっては生産性の向上や、諸経費の削減、人材確保のしやすさなどの利点があり、従業員側はオフィスから離れた場所で業務を行うことで通勤時間の負荷軽減、育児や介護との両立などが可能に。厚労省は働き方改革の一貫としてガイドラインを作成、導入と実施を推進している。
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現在、日本国内のリモートワーク導入率は、従業員数が300人以上の企業で約20%。従業員数が300人に満たない中小企業では約3?6%に留まり、全体では11.5%。味の素やトヨタなど、在宅勤務の導入を進める企業もあるが、総務省の調べによれば「リモートワークに適した職種がない」と回答する企業が約4割を占める。
リモートワークはインターネットの普及やテクノロジーの進化などにより、アメリカを中心に始まった。同国では在宅勤務、サテライトオフィスなどの分散型オフィスの普及を、交通問題や大気汚染の防止などの社会的なニーズに基づき、行政が中心となり促進した背景がある。発祥の地アメリカでは現在、50%がリモートワークで働いている。
アメリカでは近年、行き過ぎたリモートワークの浸透が従業員同士の衝突などを引き起こすなどとし、リモートワークからオフィス勤務への見直しの動きも出てきている。クリエイティブな発想を生み出すコミュニケーションの活性化や、チームワークの向上などがその理由。IBMはリモートワークの制限を開始、Yahoo! はすでにリモートワークの禁止を打ち出している。
日本においても、メルカリやウォンテッドリーなど、対面によるコミュニケーションを重視し、あえてリモートワークを推奨しないとする企業もある。しかし、日本では労働力の低下や労働人口の減少が進み、大きな雇用問題となっている。今後ダブルワークやパラレルワークなどで不足する労働力を補うためにも、リモートワークが重要な労働形態であることは確実だろう。(編集担当:久保田雄城)