「100歳まで生きたくない」8割 健康・収入・年金に不安

2018年7月30日 09:39

 人生100年の時代と言われるようになった。医療技術の進歩、保健情報の普及などによって今の高齢者は元気だ。定年退職を経験した60代でもフルタイム勤務をする者が急増している。その一方で急速なグローバル化、IT技術の進歩による産業構造の急変、高齢化に伴う社会保障財政の逼迫等により未来は不透明となり不確実さを増している。

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 今の世代はこのような不透明な未来100年を生きて行くことになるが「人生100年時代」をどのように捉えているのであろうか。アクサ生命が6月下旬、20~60代の男女1000名をサンプルに「人生100年時代に関する意識調査」を実施し、その集計結果を公表した。

 集計結果によれば、「『人生100年時代』をどのように捉えているか」という質問に対して、「ポジティブ」と答えた者が50.7%で、「ネガティブ」と答えた者が49.3%と意見が真っ二つに分かれる結果となった。

 「ポジティブ」と答えた者を年代別に見ると、20代で58.0%と最も多く、次いで50代の54.5%で、5割を切っているのは60代以上の48.0%、30代の47.0%、40代45.0%の順となっており、20代と50代で「ポジティブ」に捉えている者が多いようだ。

 「老後の生活をどのように捉えているか」という質問に対しては、「楽観的」と答えた者が38.9%で「悲観的」が61.1%となっている。「楽観的」と答えた者を世代別に見ると、20代で47.0%と最も多く、60代が39.5%、50代が36.5%、40代が36.9%、30代が35.5%となっており、20代で楽観的に捉えている者が多くなっている。

 「100歳まで生きたいと思うか」に対しては、「あまりそう思わない」が41.9%、「まったくそう思わない」36.9%で約8割の78.8%が「生きたいと思わない」と答ており、「生きたい」と答えたのはわずか21.2%と少数派だ。

 「長生きすることは、リスクになるか」という質問に対しては78.6%が「そう思う」と答えており、その内容については、「身体能力の低下」「収入の減少(賃金不安)」「年金制度」と答えた者が81.6%で、そのリスクに「備えられていない」と回答した者は84.0%にも達している。

 日本は長寿社会となったが、その中で人々はむしろ健康面や経済面での不安を募らせているようだ。人生100年時代にあった保健福祉制度の構築が必要なのかも知れない。(編集担当:久保田雄城)

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