AIが分かりやすい文章作成を支援するシステム開発へ 東北大の学生らが起業

2018年7月21日 11:33

 マシンラーニング・ソリューションズ(以下 MLS)は20日、100%子会社「Langsmith」(ラングスミス)を設立したことを発表した。最先端の自然言語処理技術を用いて、利用者が適当な文章を入力すると、その状況に応じた自然で分かり易い文章をコンピュータが作成するサービスの提供を目指す。

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 現在、日常的に使われている言葉をコンピュータに処理をさせる自然言語処理の分野において、ディープラーニングの影響は大きいと言われるなか、一般に認識される自然言語処理を使ったサービスは多くない。「Langsmith」 はこの領域にチャレンジしていくとしており、よりうまい文章を書くことを支援する人工知能システムの開発を目指す。

 第一弾では、アカデミック・ライティングに特化したシステム開発に取り組む。論文執筆は研究者、大学生にとってもっとも重要な活動の1つ。研究者は自分の技術やアイデア、発見をわかりやすく伝えるために何度も推敲をして論文を執筆する必要があるため、そうした研究者の活動をサポートしていくという。

 将来的には、対応するコミュニケーションの場面をビジネスやSNSなどにも広げることにより、言語を用いたコミュニケーションにおいて、なくてはならないツールの地位を確立することを目指す。また言語教育の場面でも、「書く力」を高めるツールとしての新たな価値を提供したいとしている。

 MLSは、トランスコスモス、フジ・メディア・ホールディングス傘下のフジ・スタートアップ・ベンチャーズ、チームラボを株主に、17年9月より事業を開始。機械学習関連の技術支援・コンサルティング事業と機械学習関連ビジネスを行うベンチャー企業に資金支援と技術支援を行うインキュベーション事業を展開している。

 今回設立するLangsmithは、日本での自然言語処理分野の発展を牽引している東北大学大学院情報科学研究科 乾・鈴木研究室に在籍する学生の伊藤拓海氏と栗林樹生氏が創業した。

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