パナソニックと積水樹脂、街中で夏場の暑さを和らげるシステムを開発へ
2018年7月18日 16:07
パナソニックは17日、夏場の厳しい暑さを和らげるシステムを積水樹脂と共に開発すると発表。都市部の気温は上昇傾向にあり、屋外で活動する人の身体的負荷は増している。両社はそれを軽減するシステムの共同開発に合意、来年春の製品化を目指す。
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活用するのはパナソニックの強みである屋外のクールスポット形成技術と積水樹脂のシェルター技術だ。パナソニックはミスト式冷却機「グリーンエアコン」の開発にみられるように、夏の屋外における暑さ対策には迅速に取り組んでいた。積水樹脂も耐候性・耐水性に優れ、雨などの影響を受けづらい人工木の技術をもつ。
具体的には日射を遮り熱が溜まりにくい人工木ルーバー、濡れにくく高い冷却効果のある極微細ミストによる気化冷却技術、トルネード気流で冷却空間を保つエアカーテン、水分に晒されても錆びづらい日よけパーゴラを組み合わせる。
日差しを遮りながらミストで冷却しつつその空間を保持するシステムを開発し、街中のバス停や広場など公共の空間に設置することで、そこを利用する人々を暑さから遠ざけという試みだ。
都市部における気温上昇の背景にはヒートアイランド現象がある。これはアスファルトの道路やコンクリートのビルに溜まった熱、また自動車やエアコンからの排熱などのために起こる現象だ。太陽の光に加え、それらの熱がこもる状況下で過ごすと人の身体はより暑さを感じてしまう。
現状屋外の暑さ対策としては、例えば木を植えたり人工の日よけを設置して日光を遮断する、打ち水で地面を冷やす、地面や壁を緑化して高温化を防ぐ、などの方法がある。パナソニックと積水樹脂はそれらに連なる、人々が快適に過ごすための新たなシステム開発を進めていく。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)