NYの視点:米6月小売、Q2GDPの見通し押し上げ

2018年7月17日 07:36


*07:36JST NYの視点:米6月小売、Q2GDPの見通し押し上げ
米商務省が発表した6月小売売上高は前月比+0.5%と5カ月連続の伸びを記録し
た。伸び率は予想通り5月+1.3%から鈍化。自動車販売の増加やガソリン価格の上昇で、ガソリンの販売が増加したことが全体指数を押し上げた。5月分は+0.8%から+1.3%へ上方修正され2017年9月来で最大の伸びを記録した。

変動の激しい自動車を除いた6月小売売上高は前月比+0.4%。伸びは5月+1.4%から鈍化したものの予想+0.3%を下回った。ただ、国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車・建材・食品・ガソリンなどを除いたコアの小売り、コントロールグループは横ばいと、予想の+0.4%を下回り年初来最低の伸びにとどまった。一方、5月分が+0.5%から+0.8%へ上方修正されたため、4−6月期GDPへの影響はないと見られている。

経済の7割を占める消費は、1−3月期に大幅に停滞し、過去5年近くで最低の伸びにとどまった。4−6月期には改善し、成長加速につながると期待されている。4−6月期の経済が期待ほど強まらない可能性も考えられるが、米商務省が発表する国内総生産(GDP)と類似したモデルを使用していることから市場参加者から注目されていアトランタ連銀の4−6月期GDP成長予測は、従来の3.9%から4.5%へ引き上げられた。

米商務省が発表した6月小売売上高で、第2四半期の小売り消費歳出の伸びが2.6%ポイントから3.1%ポイントへ引き上げられたほか、米財務省が発表した月報を受け連邦政府の成長が1.4%ポイントから、5.6%ポイントへ引き上げられた。市場エコノミストの4−6月期国内総生産(GDP)の成長平均予想は4.3%。税制改革が成長を支えているほか、関税発動前の駆け込み需要が強まった可能性も指摘されており、今後の指標に注目が集まる。

一方で、成長ピーク感も浮上。新債券王として知られる米ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高投資責任者(CIO)は、景気後退入りに近づいたと警告。また、世界最大のアセットマネジャー、ブラックロックも資金流入額が2016年で最低となっていると指摘しており、警戒感も強まりつつある。

●米4−6月期GDP予想
平均:4.3%
レンジ: 3.7%− 5.2%

バークレイズ銀:5.2%
アトランタ連銀:4.5%
ゴールドマンサックス:4.2%
HFE:3.7%

●7−9月期GDP予想
3.1%《CS》

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