デスクトップ版Chrome 67、Spectreなどに対策しSite Isolationが有効に
2018年7月16日 16:33
デスクトップ版のChrome 67ではSpectre/Meltdownなどの脆弱性を狙う投機的実行のサイドチャネル攻撃を緩和するため、すべてのサイトを別プロセスで読み込む「Site Isolation」が有効になっているそうだ(Google Security Blogの記事、Ars Technicaの記事、The Registerの記事、BetaNewsの記事)。 Chromeでは以前からタブごとに別のプロセスを使用しているが、タブ内のiframeやポップアップで別のサイトが読み込まれる場合はメインタブと同一プロセスが使われていたという。通常は同一オリジンポリシーによりクロスサイトiframeやポップアップの内容にメインドキュメントからアクセスすることはできないが、何らかの脆弱性を狙われた場合にはSpectreに限らず、Site Isolationが有効な緩和策となる。また、Webページがサブリソースとして読み込もうとするクロスサイトのHTML/XML/JSONレスポンスをブロックするCross-Origin Read Blocking(CORB)も含まれる。なお、同一ドメインのサブドメインについては同一サイト扱いになるとのこと。 Site IsolationはChrome 63 で実験的な企業向けのポリシーとして実装されており、多くの問題が解決されたことから、デスクトップ版Chromeの全ユーザーで有効にできるレベルに達したという。ただし、現時点で有効になっているのは99%のユーザーで、1%はパフォーマンス改善などのため無効のままにしているそうだ。プロセス増加により、メモリー使用量は10~13%程度の増加が見込まれる。 Site Isolationの動作はhttp://csreis.github.io/tests/cross-site-iframe.htmlを開いて「Go cross-site (complex page)」をクリックし、Chromeのメニューから「その他のツール→タスクマネージャ」を選んでタスクマネージャを起動すれば確かめられる。有効になっていればiframeに読み込まれたサイトが「サブフレーム」として表示されるはずだ。