2018年夏休み、海外旅行者283万人の見込み 過去最高に JTB推計
2018年7月11日 11:17
JTBが2018年の「夏休み(7月15日~8月31日)に、1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向の見通しをまとめた。JTBは6月上旬、全国200地点の15歳以上79歳までの男女1200人をサンプルに旅行動向アンケートを実施し、この集計結果と各種経済指標や業界動向、航空会社の予約状況、JTBグループの販売状況などを総合し、夏休み中の旅行動向について推計を行った。
【こちらも】夏休みの海外旅行滞在日数、最長は「マドリード」13日間、最短は「釜山」2.7日
推計結果によれば、海外旅行人数は283万人で前年比は4.1%の増加、これまで最高だった12年の276万人を超え過去最高となる見通しだ。1人あたりの旅行平均費用は21万4500円で前年比は0.7%のマイナスとなっている。出発日のピークは8月11日(土)、8月12日(日)となる見込みだが、ハワイやオセアニア、アジアなどの方面では出発日が分散する傾向も見られる。
近年、アジア各国と日本とを結ぶLCC路線が増加し訪日外国人だけでなく日本からの海外旅行者も増加傾向で、アジア方面では韓国、中国、台湾などの近隣アジアが前年比5.5%増加で好調の見込だ。ハワイ方面はハワイ島の火山噴火の影響が懸念されたものの、前年比5.0%増加と堅調な推計値になっている。ヨーロッパ方面は東欧諸国やフランスで好調な数字が出ており、前年比2.5%の増加となる見込みだ。
一方、国内旅行の人数は、7460万人で前年と比較し横ばいと見込まれる。1人あたりの旅行平均費用は3万4000円で前年比では1.2%のマイナスだ。出発日のピークは8月11日(土)~8月15日(水)と見込まれている。
旅行先では、沖縄が4.7%、東北が11.0%、北陸で5.8%とそれぞれ前年より増加しており好調のようだ。旅行の同行者については「家族づれ」が68.9%と最多で、その内「子供づれ(中学生まで)」が36.9%と前年より1.5ポイント増加している。旅行の目的では「帰省、離れて住む家族と過ごす」が前年より1.4ポイント増加の22.4%で最多となっている。
この夏休みの国内旅行は「帰省を兼ねた子供づれの旅行」が主流で、旅館やホテルの利用は減少傾向を示し、テーマパーク・レジャー施設も減少していることから、旅行人員は横ばいではあるものの節約傾向が現れているとJTBは分析している。
今年の夏休み期間は7月16日の「海の日」を含む3連休が一回、8月11日の「山の日」は土曜に重なり、昨年より3連休は1回少なくなる。しかし、昨今の働き方改革などの影響で連続休暇取得への後押しが広がっており、これが節約ムードながら旅行人員の順調な伸びの背景であるとJTBはみているようだ。(編集担当:久保田雄城)