クラウドコンピューティング、国内仮想化市場は順調に拡大
2018年7月10日 11:53
2010年頃より注目を集めるようになったクラウドコンピューティング、コスト削減や時代への即応性等の観点からクラウド導入企業は増えているようだ。クラウドは仮想化技術に支えられている。仮想化自体は目新しい技術ではなく、2000年以降大企業を中心に仮想化の導入は積極的に行われてきた。クラウドの登場は仮想化の重要性をさらに高めたといえる。サーバー自社所有であるオンプレミスでもクラウドとの整合性を配慮すれば仮想化導入は重要だ。
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IT関連リサーチのIDC Japanが5日、仮想化市場に関するリポート「国内クライアント仮想化市場シェア、2017年:進化するデジタルワークスペース」を刊行し、その要旨を公表した。
リポートによると、2017年の国内におけるクライアント仮想化ソフトウェアの市場規模はライセンスベースで前年比12.0%増の267万5885ライセンス、カテゴリー別では、シェアの大きいものからプレゼンテーション仮想化、デスクトップ仮想化、アプリケーション仮想化の順となっている。
オンプレミスの仮想化ソリューション市場は、売上額ベースで前年比14.1%増の5895億円、ベンダーのシェアは上位から富士通、日立製作所、NEC、日本ヒューレット・パッカード、IBM、NTTデータの順となった。
クライアント仮想化サービス市場は売上額が601億円で前年比は29.5%の増加、ベンダー別シェアは上位から富士通、新日鉄住金ソリューションズ、NTTデータ、NEC、日立製作所、NTTコミュニケーションズの順となっている。
シンクライアント専用端末市場は総出荷台数が20万4223台で前年比1.5%の減少だった。シェアは上位から日本HP、デル、富士通、Atrust、日立製作所の順となっている。
クライアント仮想化ソフトウェア市場では総出荷ライセンス数が267万5885ライセンス、前年比12.0%の増加となり、ベンダーシェアはマイクロソフト、シトリックス・システムズ、ヴイエムウェアの順となっている。
IDC Japanの渋谷寛シニアマーケットアナリストは「2017年は、自治体におけるインターネット分離/マイナンバー対策需要に加え、金融、製造などの大型案件があり、クライアント仮想化市場はプラス成長となった。2018年は、デジタルワークスペースがさらに革新し、多様な用途/業務への適用が進むであろう。新技術を見極めながら自社環境に適合させることが求められている」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)