働く女性、7割が職場でハラスメント経験 パワハラが約8割

2018年7月10日 11:55

 厚生労働省が先月発表した労働相談の統計を見ると、労働相談の件数は10年連続で100万件を超える状態が続いており、その内容のトップは様々なハラスメントなど「いじめ・嫌がらせ」となっている。

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 政府は生産年齢人口の減少にともなう労働力人口の急速な減少を緩和するため女性の活躍を政府の方針として掲げている。女性の活躍を実現するためには安心して働ける職場環境の整備が必要であるが諸統計を見る限りそうした環境は未だ十分には整っていないようだ。

 人材サービスのエン・ジャパンが自社の運営するサイト上で「職場でのハラスメント」をテーマにアンケート調査を実施し女性355名から有効回答を得て、その集計結果を公表した。

 調査結果によれば、「職場でハラスメントを受けたことがあるか」という質問に対し72%の者が「ある」と回答しており、実に7割を超える女性が何らかの形で職場でのハラスメントを経験している。「ハラスメントを受けた経験あり」と回答した者にその内容を尋ねたところ、「パワーハラスメント」が76%で最も多く、次いで「セクシャルハラスメント」が44%、「モラルハラスメント」が33%の順で、この3つが他と比べ抜きん出て多くなっている。

 年代別に見ると、「パワーハラスメント」では20代が69%、30代が71%、40代が81%と年代が上がるにつれて増加する傾向がうかがえる。一方、「セクシャルハラスメント」では、20代が57%、30代が51%、40代が31%と若い世代ほど被害にあっているようだ。

 パワーハラスメントの内容を自由記述欄で見ると「他の社員がいる前で怒鳴りつけられる」「休日出勤を強要された」など理不尽な行為を受けたというコメントが目立っている。

 「ハラスメントのない職場にするためには、何が大切だと思うか」という質問に対しては、「社員の意識改革・教育をする」が60%で最も多く、次いで「お互いの立場や考え方を理解し合う」が55%、「企業文化の見直し」42%、「職場のコミュニケーションを円滑にする」38%、「社内に相談窓口を設置する」27%、その他6%となっている。

 このレポートでは「ハラスメントのない職場にするためには、“ハラスメントは悪であるという認識を持たせた上で、社員同士の相互理解を図ること”が大切だと言えそうだ」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)

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