名古屋高裁、大飯原発の再稼働を認めないとした地裁判決を取り消す

2018年7月9日 23:23

 2014年、福井地裁が福井県の関西電力・大飯原発について再稼働を認めない判決を下したが(過去記事)、7月4日、これに対する控訴審となる裁判の判決が名古屋高裁金沢支部から出された。判決の内容は「大飯原発の運転再開に当たり原子力規制委員会が行った審査に不合理な点はない」というもので、1審の判決を取り消す結果となった。

 1審では大飯原発の安全性について「確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立つ脆弱なもの」としていたが、今回の判決では「大飯原発の危険性は社会通念上、無視できる程度にまで管理・統制されている」と判断された。同原発については2017年に原子力規制委員会から新規制基準に合致するとの審査結果が得られている(過去記事)。

 また、裁判所側は原発の廃止・禁止について議論することは司法の役割を超えているとし、その上で国の新規制基準そのものや原子力規制委員会の審査に不合理な点は認められないとし、「原発の危険性は社会通念上無視できる程度にまで対策が取られている」と結論付けた。

 これに対し原告側は「大飯原発の危険性に対する市民の負担は払拭されるどころか、ますます深まった」なとど主張、今後も原発の運転停止を求めるとしている。

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