生活保護、人員と世帯は減少も高齢者世帯は増加続く 厚労省発表
2018年7月5日 20:47
厚生労働省が発表した2018年4月の生活保護の被保護者調査結果によると、被保護人員の減少傾向が続くとともに、被保護世帯も2月から3カ月連続で前年同月比マイナスとなったことが分かった。ただし高齢者の被保護世帯数は増加が続いている。
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■被保護人員、世帯ともに減少
4日、厚生労働省が4月分の生活保護の被保護者調査結果を発表した。被保護人員は210万3,666人で、前年4月から2万8,010人(1.3%)の減少、被保護世帯は163万5,280世帯で前年4月から2,125世帯(0.1%)の減少だった。
就職時期と重なる4月は人員数、世帯数ともに減少する傾向があるが、人員数の減少は、ここ数年の減少傾向を維持しているうえ、世帯数の減少は、今年2月から3カ月連続となっている。
■被保護人員が216万人を越えた時期も
過去の推移を振り返ると、昭和30年代半ばには160万人(月平均、以下同じ)を超えていた被保護人員数は、平成一桁頃には約88万人にまで減少した。しかし平成11(1999)年に再び100万人を超えると、平成18(2006)年には151万人、平成23(2011)年には206万人となっていた。その後、平成26(2014)年の216万人から、ここ数年は減少に転じている。
被保護世帯数は、昭和40~50年代の約70万世帯から、人員数と同じ様に平成一桁頃に60万世帯を切るまでに減少した。その後、平成17(2005)年には104万世帯、平成24(2012)年には155万世帯となり、平成29年(2017)末には164万世帯を超えていた。
■高齢者の被保護世帯が増加中
被保護世帯の中で最も多いのは高齢者世帯で87万9,041世帯。昨年4月(85万9,498世帯)からは1万9,543世帯(2.3%)、3月(87万7,847世帯)からは1,194世帯(0.7%)増加している。
障害者世帯(4月:19万5,765世帯、前年4月比:+2.0%、3月比:-0.5%、以下同じ)は、昨年と比べて増加しているものの、ここ半年ほどは横ばい傾向で、母子世帯(8万7,464世帯、-6.4%、-1.3%)、疾病者世帯(21万5,658世帯、-5.2%、-0.9%)、その他世帯(24万9,717世帯、-3.1%、-0.8%)は、平成23(2011)年頃から横ばいか減少傾向となっている。(記事:県田勢・記事一覧を見る)