AIとロボットで運送業界の業務を大幅に効率化 ドコモらが実証実験

2018年7月3日 06:13

 ドコモらは2日、AIサービスとロボットによる業務自動化(RPA)サービスを活用した、運送業界の業務効率化を図る実証実験の実施を発表。ドライバーの日報作成や事務員が担当する配車計画との照合、請求書データ発行業務など、ルーティン業務の負担を減らす試みだ。

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 これまでドライバーは日報の作成にあたり、走行距離や経由地、積み降ろしなどの情報を手書きで記入していた。そしてその日報を、事務員が予め配送先や荷物などの情報を定めた運送計画書と目視で照合、確認するという工程があった。

 2018年7月3日から12月21日まで実施される実証実験では、このドライバーの日報作成業務と事務員の確認業務をドコモのAI及びRPAサービスで代替し、業務の効率化を目指す。それぞれのサービス名は「AIインフォテイメントサ―ビス」及び「WinActor」である。

 前者には自然な対話を可能にする技術と利用者の行動を履歴から予測する行動先読み技術が備わっている。後者は多様なアプリケーションやシステムと連携して業務自動化をサポートする、ソフトウェア型のロボットである。

 両サービスはドコマップジャパン開発の運送業向け音声エージェントサービスに搭載され、各作業にかかる負担を大幅に減らす。

 このサービスを利用すればドライバーは運転しながら音声エージェントの問いかけに回答するだけで日報作成や業務記録作業をこなせるようになる。しかも作成されたデータは自動でクラウド上にアップロードされるため事業所に帰った後の手間もなくなる。その結果、ドライバーの日報作成に要する時間は約80%削減される見込みだ。

 さらにWinActorによってクラウド上にある日報データと運行計画書の内容は自動で照合され、請求データの確定までが自動で行われる。この自動化による事務員の事務処理時間の削減率は約50%になると想定されている。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る

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