ヨシオクボの2019年春夏コレクション - 備えあれば患いなし
2018年6月26日 14:33
ヨシオクボ(yoshiokubo)は、2019年春夏コレクションをミラノからパリへ場所を移し、2018年6月23日(土)にプレゼンテーション形式で発表した。コレクションタイトルは「Worest Case Scenario(最悪のシナリオ)」。舞台は、過去に貸金庫として使用されていた地下室だ。
■備えあれば患いなし、“最悪のシナリオ”に備える服
今季は、シースルーなどの透明感のある素材で、スタイリングに意外性をもたらした。指名手配犯の顔が描かれたグラフィックを配した、総柄のトラックパンツとあわせたストリートスタイルには、裾がスカラップラインの総レースタンクトップをレイヤードしてフェミニンなベールを纏わせた。クリアなリップストップ素材には前面に指名手配犯のグラフィックを配してパンチを効かせながらも、ボトムス部分はプリーツに仕立ててほんのりエスニックをプラスしている。
スーツは、トップとボトムスのシルエットにコントラストがある。ジャケットはノーカラーでモードな雰囲気なのに、ボトムスはタックが外側に入ることによってまるでひねったようにドレープが施されている。また、プリーツスカートのようなハーフパンツは、ジェンダーレスな印象だ。もうひとつ象徴的であるスポーツウェアも対照的なものと混ざり合い、ジャケットに落とし込まれたり、フェミニンなレースパンツをレイヤードしたりして登場している。
テキスタイルは、前述した繊細なレースやリップストップなどのシースルーな素材に加え、今季はボタニカル柄や、アクティブなムードに最適なライトイエロー、そしてチェック柄が採用されている。今季のワードローブは、それらを組み合わせ、テイストミックスした“最悪のシナリオ”に備えた服なのかもしれない。
最後に登場したブルゾンは、二重構造になっていて、その生地と生地の間に綿ではなくお札を入れている。もちろん偽物で、耐久性に優れた実はハイテクなお札。これを着れば万が一の時のためのお金を手ぶらで所持できる、という想定だろうか。毎シーズンどこかに遊び心を含ませる久保が、お金で服を作るという突拍子もないことをやり遂げた。