AI化RPA市場が急拡大、1年で2.4倍に ホワイトカラー業務を自動化
2018年6月21日 09:04
AIの発展によって人類は技術的特異点をむかえるという議論もある。技術的特異点とは、これまでの規範が通用しないような全く質の異なった状態のことだ。技術的特異点の議論の真偽は別にしても、AIの社会への導入は生活やビジネスのあり方を大きく変化させるであろう。産業革命によって製造現場での労働が機械に代替されオートメーション化されていった。続いて、情報革命の進展で情報収集能力は飛躍的に拡大した。
AIの普及は意志決定に関わる業務の効率化を飛躍的に進展させるであろう。ホワイトカラー業務は情報収集と意志決定過程が作業過程に複雑に組み込まれているため、そのオートメーション化は難しいものがあった。しかしAIの組み込まれたシステムの導入によってオフィスオートメーションも質的変化をむかえようとしている。既に市場はホワイトカラー業務の自動化に向けて大きく動き始めている。
ミック経済研究所が「AI連携(AI OCR、音声認識等)で高度化するRPAソリューションの市場動向 2018年版」を公表した。これによれば、 AIと連携したRPAソリューション市場、つまりAIロボットによるオフィス業務の自動化の導入に関する市場が爆発的に増大している。RPAソリューション市場は2017年度の183.4億円から2018年度の444億円と飛躍的に増大した、対前年比は242.0%という倍以上の拡大が続いている。既に参入企業はベンダー・パートナーを含め500社を超えており、導入ユーザー社数は4000社を超える規模に達していると見込まれる。
業態別に見ると、ライセンスが2017年度の42.5億円から2018年度の128.7億円と対前年比で303.2%の3倍にも上る飛躍的成長が実現される見込みだ。2017年度よりさらに本格的な海外ベンダーの国内参入も相まって2018年度もさらに拡大が続く見込みだ。
コンサルティングは2017年度の85億円から2018年度の185億円と対前年比で217.6%拡大する見込みである。コンサルティング市場の動向については、既にRPAが中堅・中小企業利用へ浸透しており、ユーザーの内製化やベンダーのクラウドサービス提供により、先行した大手コンサルティングや金融機関等の大型案件は収束傾向となっており、コンサルティング市場のシェアは今後低下傾向で推移すると見込まれる。
AI技術を用いたホワイトカラー業務の機械化・オートメーション化の普及は既に始まっている。(編集担当:久保田雄城)