スズキ「エブリイ」が国内累計販売台数300万台を達成

2018年6月19日 10:55

 スズキは18日、同社の軽四輪車「エブリイ」シリーズが15日に、国内累計販売台数300万台を達成したことを発表した。また、新しく車体色を追加設定し、26日より発売する。

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■軽キャブバンでは新車販売22年連続トップ

 「エブリイ」シリーズは、1964年9月に誕生した軽商用車「スズライト キャリイバン」から始まるワンボックスタイプの軽自動車であり、「キャリイバン」、「エブリイ」と車名を変え、キャブオーバータイプならではの荷室の広さや使いやすさを活かしてきた。

 また、2015年にフルモデルチェンジされた現行モデルでは、快適性や安全性を向上させた改良を行っている。軽商用車「エブリイ」は1996年度から2017年度までの軽キャブバンクラスにおいて、新車販売台数第1位を22年連続で獲得するなど、国内累計販売台数300万台を達成した。

■ライバル「ハイゼット」の存在

 「エブリィ」は、トラックの「キャリー」とともに、日本中の物流やサービスにて、軽商用車のパイオニア的存在として支持されてきた。その「エブリィ」最大のライバルとなっているのが、ダイハツの「ハイゼット」シリーズだ。2004年にデビューした現行モデルはマイナーチェンジを重ね、2017年11月には大幅なフェイスチェンジを受けて大変身。さらに、同社の乗用車に採用される、衝突回避支援システム「スマートアシストIII」搭載グレードも新たに設定され、商品力をキープしている。

 全国軽自動車協会連合会による、2018年5月の販売成績を見るとエブリィが5,892台、ハイゼットカーゴが5,650台と拮抗している。この2車とそのOEM供給車両は、他車の入り込む隙間はなく、何年にもわたって軽商用バンのシェアを二分してきた。

 しかし、この2車はよほど車に詳しい人でも区別がつかないほど似ている。外見だけでなく、スペックもである。究極の軽バンとしての完成形となっているとも受け取れるが、2車だけの安定した市場があるために、大きな変革に踏み切れないともいえる。

■新たなライバルはホンダから

 そこに登場するのがホンダの新型軽商用車「N-VAN」である。この夏に発売予定で、すでに専用サイトも立ち上がっており、ビジネスユース以外にも利用できるシリーズ展開とあって大きな話題となっている。

 FFによる低床化、ホンダセンシング、そしてピラーレススライドドアの採用といった思い切った機構の採用は、軽バンのシェアが少ないホンダだからできたと言える。そして、これらが「エブリィ」と「ハイゼットカーゴ」の作り上げた市場を、根底から崩しかねないのだ。

 累計販売台数300万台を達成し、新車販売台数1位を22年連続で獲得した「エブリィ」ではあるが、今後もこれまでのようにトップであり続けるかどうかは、まだわからない。

 今年は乗用車だけでなく、街で活躍する軽商用車にも注目してみよう。(記事:田中秀雄・記事一覧を見る

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