まさかのPKやり直し 名古屋グランパスに風は吹くか
2018年6月15日 20:50
■ワールドカップが行われている一方
この時期サッカーの話題と言えばやはりワールドカップだ。日本代表のできや、スペイン代表監督のいきなりの交代劇などサッカーのニュースはワールドカップ関連にあふれている。
しかし日本では、天皇杯も行われている。日本代表選手が所属するチームの敗退も目立つが、とりわけ注目したいのが名古屋グランパスVS奈良クラブの対戦だ。JFLの奈良クラブがJ1の名古屋グランパスに勝つというジャイアントキリングが起きた。
しかしPK戦の中で奈良クラブのキッカーがフェイントを入れたということで、一度は勝ちとなったものの、「PKのやり直し」という結論に至った。
■PKやり直しとなる背景
そもそもなぜ「PKやり直し」となったのか。現在のPKでは「キッカーはフェイントを入れてはいけない」というルールがある。フェイントをした場合、その選手は「失敗」となる、というのがルールだ。
この試合では、奈良クラブ4人目のキッカーがフェイントを入れたとして、審判から「やり直し」を命じられた。この段階で、本来であれば審判は「失敗」としなければいけなかった。もしこれがルール通り「失敗」とみなされていれば、その時点で4人成功の名古屋グランパスに対し、奈良クラブは2人の成功であり、5人目を前にして、奈良クラブの敗退は確定していた。結局、この時の蹴り直しは成功し、この後、名古屋グランパスの選手が2人連続で失敗、奈良クラブの勝ちとなった。
この時点で名古屋グランパスの抗議はなく、試合は奈良クラブの勝ちとなった。しかし、このPKについて、アマチュアのレフェリーからの質問により「適用ミス」が発覚。最終的にPKやり直しとなった。
ただし後日、そもそも奈良クラブ4人目のキッカーの動作は「フェイント」ではなかったと、審判委員会では見解が出されてり、この時の審判の決定は「判断ミス」ということになったのだが、「適用ミス」のほうが重大として「PKやり直し」は変わらなかった。
■PK戦やり直しの行方は
PKやり直しといっても状況が戻ったわけではない。格上の名古屋グランパスの方がやりづらいだろう。「ルール上勝っていた」とはいえ、判定は奈良クラブの勝ちだった。選手も負けたと思っていることだろう。格下相手に2度負けるわけにもいかない、という気負いもあるかもしれない。
そういうことを考えると、名古屋グランパスからしてみたらやりづらいことこの上ないだろう。選手が「どれだけ割り切れるか」がカギになりそうだ。