世界の広告費、18年には6千億ドル突破へ デジタルがテレビ上回る 電通調査

2018年6月15日 16:31

 電通が発表した世界の広告費の実績と予測から、リーマンショック以降、広告費の増加が続いており、中でもデジタル広告が大きく成長していることが分かった。

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■2018年は6,000億ドル突破を予想

 14日、電通が「世界の広告費成長率予測」を発表した。これは、ロンドンにある電通の海外本社「電通イージス・ネットワーク」が世界59カ国・地域から収集したデータを取りまとめたもの。

 これによると、2017年における世界の総広告費の確定値は2016年(5,719億ドル)から3.3%増加して5,905億ドル、さらに2018年は6,135億ドル(成長率3.9%)と過去最高になり、2019年も6,367億ドル(成長率3.8%)に増加すると予測している。2年連続で成長予測となることで、「リーマンショックの影響を受けた2009年以来、10年連続のプラス成長見通し」になるとしている。

■ロシア、インド、中国が高成長

 2017年において、主要国の中で最も成長率が高かったのはロシアで14.3%の増加。次いで、インド(+8.9%)、中国(+6.3%)、イギリス(4.2%)などとなっている。日本は全体実績(+3.3%)を下回る1.6%の増加だった。その他では、カナダ(0.0%)、イタリア(+0.9%)、ドイツ、スペイン、オーストリア(いずれも+2.3%)などが、低めの成長率となっている。

 18~19年の予測では、ロシアがやや鈍り(18年:+11.7%、19年:+8.5%)、代わりにインドが伸びてくる(18年:+10.5%、19年:+11.1%)。中国(18年:+6.5%、19年:+6.0%)、イギリス(18年:+4.2%、19年+4.7%)あたりは高めの成長が続くものの、日本は18年:+1.5%、19年+1.2%と、徐々に成長が減少する傾向を予測している。

■デジタル広告がテレビ広告を追い抜くか

 2017年における媒体別の成長率では、デジタルが15.2%増と大きく成長した。その他で伸びたのは、映画館・シネアド(+6.1%)、屋外/交通(+2.6%)、ラジオ(+1.2%)。反対に減少したのは、紙媒体である新聞(-9.4%)、雑誌(-7.6%)、そしてテレビ(-0.7%)だ。18~19年の予測でも、デジタルが18年:+12.6%、19年+11.3%と増加しており、テレビは微増、紙媒体の減少は変わらず続くと予測している。

 そのため、媒体別のシェアは、2017年にはテレビ:36.6%、デジタル:35.6%と、わずか1%ながらもテレビが上回っていたものの、18年予測では、テレビ:35.5%、デジタル:38.4%、19年予測では、テレビ:34.5%、デジタル:41.1%となり、デジタルのシェアがテレビを追い抜くと予測している。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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