役員報酬1億円以上、335社・627人で共に過去最多 最高額は103億円

2018年6月14日 09:12

 日本経済は現在、世界経済の回復を受けて緩やかながら回復基調の状態にあり、企業業績も順調に推移している。そんな中、東京商工リサーチが2017年(1-12月)決算における「役員報酬1億円以上開示企業」の調査結果を発表した。この調査は、全証券取引所の上場企業3700社を対象に、有価証券報告書から役員報酬1億円以上を個別開示した企業を集計したもので、上場区分は本年5月14日時点のものである。

 17年中の上場企業決算で1億円以上の役員報酬を開示した企業数は335社で人数は627人となり、企業数、人員ともに最多記録を更新した。627人の役員報酬の総額は1326億5400万円で、前年の1219億1000万円より107億4,400万円増加し、伸び率は8.8%の増加となっている。

 該当企業数は前年の310社を25社上回り、人数も前年の557人を70人上回っている。企業数は役員報酬1億円以上の個別開示制度が開始された10年から8年連続で増加しているが、人数では12年に1度前年を下回ったものの、その後は5年連続で増加を維持しており、2年連続で登場した424人のうち約6割にあたる250人が前年と比べ報酬額を増やしている。また、11年から7年連続で登場している役員は128人存在する。

 最高額は、ソフトバンクグループのニケシュ・アローラ元副社長の103億4600万円で、前年に自身が記録した64億7800万円を上回り役員報酬の最高額を更新した。

 開示人数のトップは三菱電機の22人で、前年の23人より1人減少したものの4年連続のトップの座を守った。次いで伊藤忠商事の11人、ファナック、ソニー、パナソニックの3社が10人、東京エレクトロンの9人と続いている。役員報酬1億円以上が2人以上存在する企業は127社で該当企業の37.9%を占め、前年の120社から7社増加した。

 役員報酬の内訳は、基本報酬が618億5300万円で全体の46.6%を占め、賞与が247億5700万円、ストックオプションが107億4600万円、退職慰労金が89億3400万円となっている。

 役員報酬1億円以上開示は上場企業の「コーポレート・ガバナンス」に関する開示内容の充実を目的に10年3月31日に施行された「企業内容等の開示に関する内閣府令の改正」によって役員情報の有価証券報告書への記載義務として実施されている。(編集担当:久保田雄城)

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