NEC、心拍変動データから感情分析 喜怒哀楽を可視化
2018年6月12日 13:23
NECは11日、TDKのリストバンド型のウェラブルデバイスを用いて、心拍変動データから感情を可視化する「NEC 感情分析ソリューション」の販売活動を開始すると発表した。
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「NEC 感情分析ソリューション」は、名古屋市立大と共同開発している感情認識技術と、クラウドサービスやTDKのウェラブルデバイスなどを組み合わせたシステムだ。感情分析は心拍数の変動のみで、「興奮・喜び」「ストレス・イライラ」「憂鬱・疲労」「穏やか・リラックス」の感情を可視化。専用アプリケーション上で現在の感情や感情履歴などを表示する。
感情の可視化需要はあるのであろうか。自身の感情、気になる相手の感情、仕事でのストレスなどの有無、心理分析の基礎データ。感情が可視化できるならば、様々な有益な用途が考えられる一方、個人情報や人格の決めつけなどの難しさを孕む。NECは個人の感情分析や働き方改革などの用途を想定する。
無意識の中での自分の感情の変化を知ることは、自分を客観的に分析するのに役立つであろうが、感情の可視化データに過敏になるのは避けるべきであろう。他方、従業員の健康管理や長時間残業でのストレス把握は、働き方改革の参考データになるであろうが、目に見えない管理下に置かれているような環境をストレスと感じる人もいるであろう。
下期から販売を開始し、3年間で90億円の売上を目指す。対象者1人当たりの価格は、月額1,000円(ウェアラブル端末費、初期費は除く)だ。
●感情分析の特長
日常生活下での心拍変動データから対象者の交換神経と副交感神経のバランスを分析。名古屋市立大学大学院医学研究科が進めている健康科学や生体信号のゆらぎ解析の知見に基づいた感情認識技術がベースとなる。
心白変動データのリアルタイム取得は、TDKのウェアラブルデバイス「Silmee W20」とクラウド上に実装した感情認識技術を組み合わせる。対象者の生体情報をリアルタイムに収集・蓄積が可能だ。
また、「Silmee W20」は、会話量測定・紫外線量測定・皮膚温度測定、食事時間検出、ボタン操作による第三者への緊急連絡などの機能も搭載する。
●感情分析(NEC、感情の可視化)のテクノロジー
従業員50人以上の会社に対して、ストレスチェックが義務付けられるなど職場での健康管理は、企業が存続していくうえでの重要な要素だ。
産学連携の技術を用いて、企業の健康管理に関心のある企業に訴求していく。活用例として、従業員の体調管理、感情起因の事故防止、ドライバーの疲労、従業員の感情負荷やストレス検出などを想定。
自分の感情をコントロールしたいと考える潜在的な個人需要は多いと思われるが、先ずはB2Bでの販売を目指すようだ。(記事:小池豊・記事一覧を見る)