非正規割合は横ばい、「都合の良い時間に働きたい」が理由の3割
2018年5月17日 15:56
少子高齢化の影響で生産年齢人口が減少する中、有効求人倍率は3月時点で1.59倍と人手不足感が高まっている。こうした背景を受けて2018年に入ってからも会社等に雇われる雇用者数は順調に増加している。正規の採用も増加し、約4割を占める非正規従業員の数も微増減をくりかえし安定的に推移している。
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総務省は11日、18年1~3月期の労働力調査(詳細集計)の結果を公表した。役員を除く雇用者5540万人のうち、正規の職員・従業員の数は3423万人で、前年同期に比べ38万人の増加となり、13期連続の増加となった。
非正規の職員・従業員の数は2117万人で100万人増加し、23期連続の増加となっている。役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は38.2%で、割合の対前年同期の比率は0.9%と僅かに上昇し、6期ぶりの上昇となった。
非正規の職員・従業員の内訳を見ると、パート・アルバイトが1479万人で最も多く、前年同期と比べ63万人の増加、派遣社員が139万人で10万人の増加、契約社員が304万人で23万人の増加、嘱託が116万人で3万人の増加、その他が78万人で1万人の増加となっている。
男女別に見ると、男性の雇用者数が2991万人で前年同期に比べ49万人の増加、うち正規の職員・従業員の数が2322万人で20万人の増加、非正規の職員・従業員が670万人で31万人の増加となっている。女性では雇用者数が2548万人で88万人の増加、うち正規の職員・従業員が1101万人で18万人の増加、非正規の職員・従業員が1447万人で70万人の増加となっており、女性の方が非正規の数が多く、この女性の非正規の数が最も大きい伸びとなっている。
非正規の職員・従業員についた主な理由についてみると、男性では「自分の都合のよい時間に働きたいから」とした者が27.7%の172万人で、前年同期に比べ14万人増加した。女性では「自分の都合のよい時間に働きたいから」とした者が30.9%の427万人で前年同期に比べ52万人の増加となり、「家計の補助・学費等を得たいから」とした者が22.8%の315万人となって14万人減少している。
仕事につけない理由については、「希望する種類・内容の仕事がない」とした者が50万人で構成比27.5%と最も多く、「条件にこだわらないが仕事がない」とした者が10万人、構成比は5.5%で最も少なく、完全雇用状態の中でミスマッチ失業が最も多くなっている状況をうかがわせる。(編集担当:久保田雄城)