英文でピリオドの後にスペース2つで読みやすくなるか

2018年5月12日 09:55

headless曰く、 英文でピリオドの後にスペースを2つ続けると、スペース1つよりも読みやすいとする研究成果が議論の的となっている(Ars TechnicaThe VergeThe Washington PostLifehacker論文要旨)。

 ピリオドの後にスペース2つを続けて入力するのはタイプライター時代のなごりだ。等幅の書体で単語間とセンテンス間を識別しやすくするためとされ、ワードプロセッサーでプロポーショナルフォントが使われるようになって衰退した。しかし、2009年に米心理学会が発行したPublication Manual 6th Editionでは、読みやすくするため原稿のドラフトでピリオドに2つのスペースを続けることが推奨され、議論を巻き起こした。

 論文を発表した米スキッドモア大学の学生による研究チームは、これまでスペースの数による読みやすさの違いが実験により確認されたことはないとして、学生60人の被験者で実験を行っている。実験内容は(1)テキストを入力してもらい、被験者がスペースをどのように使っているかを調べる、(2)ピリオド/カンマに続くスペースの数による読む速度への影響を視線計測デバイスで調べる、というものだ。

 (1)の結果はピリオドの後にスペースを1つ入力する被験者が39名(A)、2つ入力する被験者が21名(B)。(2)の結果はBグループでピリオドの後にスペース2つの場合にスペース1つよりも3%ほど速く読めた(カンマの後はいずれもスペース1つ)のに対し、Aグループでは1%ほど遅くなっている。カンマの後のスペースだけを2つにした文章では両グループとも遅くなったが、ピリオド/カンマともにスペースを2つ続けた文章では、Aグループで速く、Bグループで遅くなっている。いずれの組み合わせでも読む速度はBグループの方がAグループよりも速かった。

 平均するとスペース2つのほうがわずかに速くなるようだが、誤差の範囲といえる。また、視線計測テストで等幅フォントのCourier Newが使われていることや、被験者の数が少なすぎることが批判されており、顔を固定したテストは文章を実際に読む動作とは異なるためスペースの数による違いを正確に判定できないという指摘もみられる。1スペース派のNick Douglas氏はLifehackerの記事で、21名もの学生がピリオドの後にスペースを2つ入力するなど信じられないとも述べている。

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