京成、2018年度の設備投資計画を発表 前年度比3割増の200億円に

2018年5月10日 12:12

 京成電鉄は、2018年度の鉄道事業設備投資を昨年度実績比49億円(32%)増となる総額201億円を投じて実施することを発表した。主として利便性向上を目指すめた、具体的には駅ホームにおける安全性向上や鉄道施設の強靱化などの安全対策の強化を図る一方で、駅施設のリニューアルや利用者案内の多言語化など、サービス向上に取り組む。

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 安全対策の強化としては、ホームドアの設置や内方線付点状ブロックの整備など、ホーム上における安全対策を行う。他にも駅舎・橋脚の耐震補強工事や法面補強工事、踏切事故対策なども含まれる。

 サービス向上に関しては、駅のリニューアルと同時にバリアフリー化を推進することや、駅待合室の設置、トイレのリニューアル・洋便器化などを進める。

 このほか、訪日外国人の増加などに伴い、駅や車内における利用者案内の多言語化を進める。また、環境に優しい省エネルギー車両である3000形を新造することや、ユニバーサルデザインへの配慮から、スカイライナー(AE形)車両への車椅子スペースの増設、通勤型車両へのスタンションポールの増設も行う。

 スタンションポールに関しては、立っている乗客の支えとなり、着席している乗客が立つ時に利用することもできる。これを現行の通勤電車である3400形通勤型車両、3700形通勤型車両の座席中央部分へ増設し、2019年度までに完了することを目指す。

 また、各鉄道会社がこぞって推進している列車走行位置情報の配信を開始する。これは利用客のパソコンやスマートフォン上でリアルタイムの列車走行位置を確認することができるサービスで、鉄道の遅延情報などをいち早く受け取れ、利用客の利便性が向上する。

 2020年は東京でオリンピック、パラリンピックが開催される年。それを前に各鉄道会社がこぞって設備向上と新車両の導入などが行われている。オリンピックに向けての設備投資ではないにしても、2020年夏の一大イベントがこうした動きのブースターとなっているのは間違いない。(記事:M_imai・記事一覧を見る

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