自分の成長、価格、業界、読み方・・・読書する人が持つ本への意識は?

2018年5月9日 14:12

 三和書籍は7日、本に関する意識調査の結果を発表した。アンケートは、2018年4月26日と27日に全国に住む20歳以上の男女を対象に行い、441人から回答を得た。

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■本を購入した人が答えた「成長や価格、業界など」様々な目線からの意見

 アンケートでは、「1年間で、本(電子書籍は含む、雑誌は含まない)を購入したことがある」と答えた人に、本に対しての意見を聞いている。その結果から、「自分の成長」「価格」「本の業界に関する意見」「読み方」を取り上げてみよう。

 「自分の成長」では、「知識や知恵のレベルアップ」「自由な考え方が育つ」「見地が広がる」「人生の参考書」「色々なことを教えてくれるし、考えさせてくれる」といった回答が見られた。本によって自分が成長できると実感している人が多いと分かる。

 「価格」については、「定価が高い、もう少しリーズナブルだと良い」「電子書籍は電子情報の割に価格が高いと思う」「業界凋落の一番の原因は再販価格制度にあると思う、売れる本は価格を柔軟にすればより売れるのでは」といったものが。コストについて気になる人も多いのだろう。

 「本の業界に関する意見」としては、「映画化や受賞作など話題の本や有名作家の本に業界全体が相乗りするような売り方を改め、いろいろな本の情報をきめ細かに提供して読者をつかむ努力をしてほしい」「本を読まないから街の小さな書店はどんどん閉店し、本に携わる仕事も減っている」など。業界と読者双方からの意見が見られた。

 「読み方」では、「年40冊程度を読む、好きな作家に偏らないよう書評で面白そうと思えば手に取る」「慣れないからかもしれないが電子書籍は少し見にくい気が。紙ならいつでも読んだところから再開でき戻るのも楽」「紙の本が見やすいし、記入も出来る」といったものが。どのように読むか、見やすさや使いやすさはどうか、から言及している。

 本と一口に言っても様々な意見があることが分かった。

■本を読む人、読まない人の割合は?

 最後に本を読む人、読まない人の割合を見てみよう。1年間で本(電子書籍は含む、雑誌は含まない)をどれくらい読んだのか、という質問に対し、441人中89人、約20%が「月に2~3冊」と回答。その他読んでいると回答した人の内訳を多い順に見ると、「2~3カ月に1冊」が80人、「月に1冊」が76人。

 同じ質問で読んでいないと回答したのは、約10%。内訳を多い順に見ると、40~49歳は20人、50~59歳が15人、30~39歳が11人で合わせて46人、30歳~50代までで90%以上を占めた。

 読んでいない理由で最も多かったのは「時間がない、時間を取れない、読む暇が無い」。本そのものについてではなく、単純に時間がないと答えた人が多い。

 本は娯楽であり学びの機会。今後も本が読まれ続けることを願ってやまない。(記事:楽趣みくす・記事一覧を見る

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