NTTら、ラスベガスの安全性向上のためAIを活用した実証実験を実施
2018年5月3日 14:37
NTTグループは米ラスベガス市・ダウンタウンエリアにて9月から約2カ月間、AIを活用した公共安全ソリューションの共同実証実験を行うと発表した。人がたくさん集まる市街地やイベント会場にて発生する犯罪や災害などへの対処をより迅速化するための試みとなる。
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何かしらの問題が起こったとき市民の安全を守るには、まず群衆の動きや交通状況、各所の状態などを把握することが重要である。その初期対応にかかる時間の短縮を、複数のセンサーと取得したデータの分析によって実現する。
エリアに設置されたセンサーから得られたデータはデータセンターに集約され、分析に用いられる。活用されるのは群衆の動向や数、交通状況、異質な音声などの情報に気候やSNSの情報も含めた総合的なデータだ。そのデータに対してNTTグループのAI技術「corevo」を用いたトレンド分析を実施し、事件性の有無などを予測する。
さらにもし事件、事故などが起こってしまった際は、それをいち早く検知して対応する。群衆や危険車両の動き、銃声や叫び声などの事件性の高い音声といった周辺状況は常に監視され、また顔認証や画像解析技術を使った指名手配犯、盗難車両の検索も行う。何か異常があれば速やかに検知し、当局への通報につなげる。
在サンフランシスコ日本国総領事館によるとラスベガスはカジノで有名な世界でも有数のナイトスポットで、年間4,000万人の観光客が訪れる。犯罪発生件数は高い水準にあり、観光客を狙った一般犯罪も多発している。テロの潜在的脅威も排除できない。市民の安全確保のための取り組みとして、今回の共同実証実験の結果には注目が集まりそうだ。(記事:小椋恒示・記事一覧を見る)