苦境が続く大塚家具、巻き返しへ「アマゾン」で販売開始
2018年5月1日 21:37
総合インテリア販売の大塚家具は1日、インターネット通販最大手の「アマゾン」で自社商品の販売を始めた。創業の地の埼玉県春日部市から撤退を決めるなど苦境が続いているが、2017年10月の「ヤフーショッピング」に続く大手ネット通販出品で、巻き返しを図る姿勢。ネット通販を好む若い世代に顧客層を広げる狙いも込めているようだ。
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アマゾンには、シーツやピローケースなど寝装品をはじめ、スツールなど小家具を中心に約40種、130の自社商品を取りそろえた。ソファーやマットレスという大型商品も一部含まれている。商品数は販売状況を見ながら、拡充を検討する。アマゾンへの自社商品出品は過去にもあったが、家具の転倒防止器具にとどめていた。
大塚家具の顧客層はこれまで、40代が中心と考えられてきた。しかし、アマゾンではより若い世代の利用者も多く、従来の顧客層以外へアプローチできるほか、大塚家具の店舗が存在しない地域にも販売が可能になる。
大塚家具は2017年3月に公表した中期経営ビジョンでEC事業の拡大を柱に掲げている。2017年10月にはヤフーショッピング内に店舗を置き、テーブルやソファーなど幅広いジャンルの商品販売を始めたが、それに続いてアマゾンにも進出、EC事業をさらに広げていく。
大塚家具は2017年12月期決算で店舗売り上げの不振などから、売上高が前期比11.3%減の410億円にとどまり、72億円の当期損失を出している。最終赤字は2期連続。発祥の地である春日部市にあり、東京有明の本社ショールームに次ぐ規模を持つ春日部ショールームを閉鎖する方針を示すなど、不採算店舗を抱えて業績面で苦境が続いている。
EC事業は店舗販売の不振を打開する方策と位置づけられている。EC事業の売上高は2016年12月期で5,200万円にすぎなかったが、ヤフーなどへ出店したことにより、2017年12月期は2億3,400万円まで拡大した。2018年12月期には5億円前後に売り上げを伸ばす目標を掲げている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)