海流発電の実用化へ NEDOが実証事業

2018年4月27日 06:36

 四面海に囲まれた日本にとって、有望な再生可能エネルギーとして期待される海流発電が実用化に向けて動き出す見通しとなった。NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は26日、実海域における海流発電システムの実証事業を採択した。同事業は、海流発電システムの実用性を見極めることを目的に、黒潮海域で、1年以上の長期にわたって、発電能力や設備の耐久性、経済性などを検証するためのフィージビリティ・スタディ(FS:企業化前調査)を行う。

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 NEDOでは、FS実施後、実用化の可能性及び事業性の判断を行った上で、長期実証研究を実施し、2030年以降の海洋エネルギー発電の早期実用化を目指すことにしている。

 2013年4月に閣議決定された「海洋基本計画」および2014年4月に決定された「エネルギー基本計画」では、海洋エネルギー発電に関する技術研究開発や技術実証を実施・推進する方針が示された。

 NEDOでは、これまでに海洋エネルギー発電技術の開発と低コスト化を目的とした事業を実施し、事業化に向けたデータを蓄積するとともに、実海域での試験を通じて発電性能や安全性を確認するなどの成果をあげてきた。

 そうした成果を踏まえ、今回、実海域での海流発電システムの実証事業を採択したもので、事業費は22億円、2018~2020年の期間を予定している。助成先はIHIに決まる見通しである。実証予定海域は、岩手県、新潟県、佐賀県、長崎県、鹿児島県、沖縄県の各沖合い海域である。

 海洋エネルギーとしては、波力発電、海洋温度差発電などが研究されているが、日本では、海流発電が実用化に向けて最も有望視されている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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