ECでのネット決済代行国内市場、17年度は前年比18%増の見込み
2018年4月25日 10:51
経済産業省の「平成28年度我が国経済社会の情報化・サービス化に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)」によると、2016年の消費者向けEC市場の規模は1358億円で前年比109.9%の増加となっておりほぼ2桁の伸びで成長している。
地域人口の減少の中で実店舗の売上げが減少し、それをECサイトで補おうとする小売店も増加している。ECサイト運営で重要なのはなんと言っても代金の支払いをスムーズに行うための決済システムである。EC市場の成長に合わせてネット決済代行サービスの市場も急成長しているようだ。
11日、情報・通信リサーチ業のミック経済研究所が「ECにおけるネット決済代行サービス市場の現状と展望 2018年度版」を発表した。この調査は国内の電子商取引におけるネット決済代行サービスを提供している企業を対象に行われ、報告された各社の売上実績を積み上げ集計し、15年度から17年度の市場規模の推計と18年度から22年度までの予測が行われている。
報告書によれば、2017年度のネット決済代行サービス全体の市場規模は2432億円と推計され、前年16年度の2041億円から19.5%増加している。2018年度の予測値は17年度から18.3%増加し2877億円になると推計している。今後の中期的な予測については、20年に3860億円、22年には4970億円に達すると推計され、18年から22年の平均成長率は15.4%と2桁台の大きな伸び率で増加すると予測している。
人口減少社会の下、商圏内人口は減少傾向にある。当然それは実店舗の維持コスト削減への圧力となるであろう。また小売業での人手不足も深刻だ。こうした課題をクリアする上でもネットショップは確実に増加している。EC市場を健全に成長させていくためには効率的で安全なネット決済代行サービスの発展が不可欠である。ネット取引では代金支払いに際してのセキュリティー上の不安が少なからず存在するのも事実だ。
16年に改正された割賦販売法が18年に施行の予定だ。この改正ではセキュリティーの強化が唱えられており、より安全なネット決済が実現すると期待される。これによりネット取引のセキュリティー上の不安が払拭され、消費者の利便性の観点からも、また小売業の活性化の観点からもネット決済サービスが円滑に成長していくことを期待する。(編集担当:久保田雄城)