買い物難民支援の移動スーパー「とくし丸」、稼働台数が300台を突破
2018年4月25日 18:11
全国で買い物難民支援の移動スーパーを展開するとくし丸の稼働台数が、国内の移動スーパーで初めて300台を突破した。とくし丸の親会社であるオイシックスドット大地が24日、明らかにした。買い物難民は全国で700万人いると推計され、今後も増加が予想されているだけに、とくし丸の躍進に注目が集まりそうだ。
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とくし丸は増え続ける買い物難民支援を目指し、2012年に徳島県徳島市で設立された。地域のスーパーマーケットと契約した個人事業主のオーナー経営者が提携商品を選び、軽車両で担当区域を回って生鮮食品などを販売している。2017年からは宅配サービスのオイシックスドット大地の連結子会社となり、事業を展開している。
冷蔵機能を備えた軽車両には約400品目、1,200点の食品などが積み込まれ、買い物に遠出しにくい高齢者らに喜ばれている。販売だけでなく、各地域の地方自治体や警察と見守り協定を結んで高齢者の見守り、詐欺事件の防止などにもひと役買っているという。
オーナー経営者は地元の四国だけでなく、全国に広がり、43都道府県を業務エリアにしている。稼働台数は2016年に100台、2017年に200台を突破するなど右肩上がりで増加中。月間の流通金額も4月で6億円近くに達している。4月には東海地方を拠点とするスーパーの義津屋との提携も決めた。
買い物難民は一般に最寄りの食料品店まで500メートル以上離れた場所に住み、車の運転免許を持たない人を指す。2015年の経済産業省調査では、全国に700万人いると推計された。これまでは中山間地など過疎地域に多かったが、最近は大都市圏にも広がり、東京都の多摩ニュータウンや大阪府の泉北ニュータウンでも移動販売に頼る人が増えている。
内閣府は65歳以上の高齢者が2025年、全人口の30.3%に達すると予測している。世帯主が65歳以上の単身、夫婦のみの世帯も、全世帯の25%以上になると見積もられており、移動スーパーやネットスーパーのさらなる普及が欠かせないとみられている。(記事:高田泰・記事一覧を見る)